natita

私をくいとめてのnatitaのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
3.6
「勝手にふるえてろ」未鑑賞、あまちゃんコンビへの想いも人並みでフラットな気持ちで観られたと思います。

未婚か既婚かで世界を捉えていること、おひとりさまを楽しむこと、頭の中のもうひとりの自分と会話をすること、それらの孤独の補完が返って彼女を孤独に包んでいたように思う。そしてその孤独は人を主人公にする。私もなったことある。誰かを憎んでしまったり、荒んでしまったことは思い出さないようにしていても自分の中に確かにあって、思考というよりかは肌で共感できてしまったからこそ、感情的なシーンは妙な嫌悪感があった。

男の子をかなり純粋に描いているのだが、女の子から見える男の子の虚構そのものだった。女の子には、男の子があんな風に見えているし、それが偽物なのも知っている。

共感は少なかったがどうでもいいと思えるものではなかったからかずっと辛かったし、帰り道早く現実に帰りたいと思った。けど今はあの帰り道のしんどくてたまらない気持ちも私の一部になった気がしているし、そんな風に思える映画でした。
natita

natita