◉「Aは消えた。発狂しながら 海の彼方に…」
◉何だろうか、この異色の世界観。どこかで感じた事あるぞ、それに鑑賞中ずっと『勝手にふるえてろ』の世界観に酷似しているなと思ったら同じ《大九明子》監督だったのか。
◉30代前半独身拗らせOL(最近拗らせという言葉は時代遅れな気がするけど)の黒田みつ子は、頭の中にいるもう1人の自分と会話をしながら、それなりに充実した毎日を過ごしていた…。
◉この独特で少しメンヘラ気味の雰囲気の主人公役は、同じくどこか掴み所の無い《のん》にピッタリな気がした。それに実際はどうか分からないけど、31歳OL視点の見方や考え方が凄くリアルな感じがして、逆に作り物感が無くて良かった。
◉「君は天然色」の歌に合わせて広がる想像の世界が、ファンタジックで好感が持て、また時折り訪れる静寂の中に苦しみや葛藤が映し出され、映像の見せ方に奥行きと幅広さがあった。