みーゆー

私をくいとめてのみーゆーのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
3.4
現実逃避

「A」はもう1人のわたしでもあるし、わたし自身でもある、そんでもって「こうあって欲しい理想の感情」であるからこそ居心地が良くてつい助けを求めてしまう。

口に出して言葉にして話しかけることはないにしても、まあ、分かるよなあ。だって嫌なことがあったら聞いてほしいし分からないことがあれば教えてほしいじゃんか。わたしであってわたしじゃない別の誰かに。

おひとりさまって気が楽だよね。誰のことも考えなくて良いし好きなことを好きなだけやってもいい。怒る人もいなければ文句を言う人間もいない。美味しいも嬉しいも楽しいも全部自分だけのものだ。
でも、ふとした時に「美味しいね」って言える相手が欲しい。そんなもんだよなあ、別に彼氏がいなきゃいけないわけでもないのにな。

友達であって家族のようなものであって絶対的な味方。だけど逃げちゃいけないときには離れなきゃいけない。オアシスみたいな現実逃避の味方こそが「A」だ。中村倫也と前野朋哉の「大丈夫」は何故だかいつ聞いても安心する。

めんどくさいよなあ、他人の感情って!
めんどくさいよ、どうしたら良いのか分かんないし!
でもきっと楽しいよ「何も変わらないよ。僕が隣にいるだけで何も変わらない」って多田くんも言ってることだし。

またね、A。明日は我が家に来ませんか?