しろくま

私をくいとめてのしろくまのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
3.7
2022.10.27/233/図書館DVD
〝大丈夫ですよ。多田さんは、あなたのこときっと好きです〟〝そうかな〟〝わざわざ手作りご飯を貰うためだけに、人の家の玄関またぎませんよ。普通〟〝そうかもね〟

〝ひとり焼肉〟や〝ひとり体験教室〟にチャレンジしているみつ子(のん)は、快適なおひとり様ライフを満喫している〝ソロ活女子〟。シングルライフに慣れ過ぎて、取引先の真面目な営業マンの多田くん(林遣都)にどう接していいか分からず、恋の悩みをA(中村倫也)に相談をするのだけど…。

Aは、ひたすら優しく受け止めてくれるので、〝やっぱいいね。Aは。絶対に私を傷つけないもんね〟と信頼を寄せているのだけど…。でも、Aは〝私はあなたなのですから〟って言っていて、それって、みつ子の心の声ってことね。ということは自問自答しているだけで、だから傷つくようなひどいことを言われない訳か。

会話のやり取りは、AIアシストの〝SIRI〟みたいで、あたりさわりのない感じもするけど、〝アラジン〟で声優も務めた中村倫也のあの甘い声で相談に乗ってもらえたら嬉しいに決まってる。後半、海パンをはいて登場するAは、みつ子を勇気づけ〝くいとめて〟くれるのだけど、あまりにもシュール過ぎ。こっちまであたふたしてしまうAの存在感。恐るべし。

〝あまちゃん〟の能年玲奈・橋本愛コンビ復活の本作。7年ぶりの再会で、久しぶり過ぎて無茶苦茶照れてへらへらしてしまったこと、読み合わせをしたことで二人の関係が埋まっていく実感があったこと、二人の別れのシーンはアドリブで演じられたこと、原作を攻略本にして台本を読む感じで解釈していったことなど、舞台挨拶での様子がDVD特典として収められていた。出演者や監督の作品に対する思いを知ることができて興味深い。
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