めしいらず

私をくいとめてのめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

私をくいとめて(2020年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

大九明子監督、綿矢りさ原作の第二弾。前作「勝手にふるえてろ」がキュートでポップな映像感覚と絶妙なキャスティングで原作を超えていると思ったけれど、本作も引き続いての原作超え。綿矢ファンの一読者としてあまりに不出来に感じた原作をよくぞここまで持ってきたものだと言うのが率直なところ。例のポップ感覚やキャスティングの妙は本作でも健在で、のんと臼田あさ美の配役が絶品。だから観ていられるのだけれど、とは言え"つまらない"から"面白い"に鞍替えさせられるほどではなかった。女性目線ではどうか知らないけれど、男性目線でこのどこにも帰結しない内省の垂れ流しを見せ続けられるのは甚だしんどい。それが大部分なせいで長尺なのもしんどい。知らんがなって言いたくなってしまう。内面の声"A"の立場が自己肯定感の低いお一人様女子たる主人公の自己批判的視座にならないのは現代的な作劇法なのかもしれない。
もしまた綿矢作品を映画化してくれるなら「かわいそうだね?」辺りが面白くなりそうな気がする。余計な世話か…。
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