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私をくいとめてのERIのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
4.0
どえらい映画だった。こんないい映画だったのか。本当にもう最高です。

冒頭からのんちゃんの目の中に吸い込まれそうで前半ずっとのんちゃん演じるみつ子が可愛いくて可愛くてどんどん引き込まれてくのだけど、日帰り温泉のあるきっかけからダークサイド満点でそこからがまたすごい。本当にもう可愛いだけじゃないんですよ。どんどん彼女の中に入っていく。のんちゃんすごい。

主人公のみつ子は、会社に心許せる先輩は1人だけで大学の頃からの親友は国際結婚してローマに住んでいる。毎日遊ぶような友達は近くにいなくて、毎週’おひとりさま’活動を更新中。おひとり様サンプル食品体験教室、おひとり様焼肉、おひとり様日帰り温泉。。心の中にはAをそばに置いて、いつもAとお話ししてる。人が嫌いってわけじゃないけれど、誰かと関わることから少しずつ距離を置いて、気づいたらそれが一番楽になってしまった。

この映画のもつ意思みたいなものに私は喰らいすぎてしまってまだうまくこの作品について言語化できずにいる。言えることは、少し今の世の中が生きにくいなって思ってる女の子たちに観てほしい作品だった。わたしは5回ぐらい胸鷲掴みポイントがあったのだけど、みつ子の悔しさや悲しさが重なりすぎて息がうまくできなかったよ。

のんちゃんのこの目のキラキラは、こう撮りたくなるよね、って監督目線になるぐらい彼女特有の魅力に見惚れてしまう。だけど、のんちゃんの魅力は、ただふわふわきらきらしてるだけじゃないその奥にある強い意志とかもっと大きな優しさとか、ぶれない勇敢さにあって、それをしっかり映しててぐうの音も出ない。素晴らしい。

のんちゃんと橋本愛ちゃんのシーンもめちゃくちゃよかったし。大瀧詠一さん、最高です。

自分は自分にしかなれないし、自分が消えてしまうのはこれ以上ない悲しみなんだ。あぁ、めちゃくちゃいい映画だった。観てよかった。
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