つるみん

僕と頭の中の落書きたちのつるみんのレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
3.8
【Same team】

総合失調症と診断された、アダムは幻覚幻聴に悩まされ「普通」に生きる事を諦めかけていた。しかし転校した先で出会ったマヤに惹かれ…。

これは良いですね。
恋人に総合失調症の事を隠す心苦しさと自分の考えを理解してくれない親との対立を描いたティーン映画。今の時代、髪型や服装などで差別する若者はほとんど居なくなったが、それが表に見える精神的な病だとすると無意識に差別してしまっている。「普通の人」という枠組みは一体何なのか…。考えさせられる一作でもある。

しかし終始重いわけではない。総合失調症の症状をユニークに描いている部分もあり、それは彼が幻覚で見えるバラエティ豊かなキャラクター。彼らも終盤になると可愛らしく見えてくるものだ。
そしてティーンの恋愛映画である事も忘れてはならない。正統派な恋愛映画であると共に、不安定な10代の揺れ動く心に対して、自分が何者であるかを理解しようと努める成長物語でもあるのだ。

『荒野にて』のチャーリー・プラマーがまた素晴らしい演技を見せてくれた。脇役にはアンディ・ガルシアや『チャーリーとチョコレート工場』のガム娘を演じたアナソフィア・ロブなども出演していたが、個人的MVPは義父役を演じたウォルトン・ゴギンズ。良かったな〜。

最近親子モノにめっぽう弱い。
つるみん

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