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僕と頭の中の落書きたちのnntmkazuyotaroのレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
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多様性が重要視される一方で、まだ秩序や社会性は、なんの努力もせずに存在することができるマジョリティが主体となった“当たり前に普通であること”を全員に求めていると思う。そこから逸脱した人を安易に社会から隔離したり無関心でいることがよしとされているけど、それって人間性を無視した酷い行為だよ。

「“僕ら”の多くが路上で暮らしている。誰も僕らの夢を叶えようとはしない。」という現実に打ちのめされて当然だろう。社会を通してしか自己を正しく認識できないのだから、彼らが苦しい理由の半分、いやそれ以上が社会の側にあると思う。
だから、生きづらさはなかなか消えないけど、それでも、また一年、共に生きましょうという気持ちです。

ウォルトン・ゴギンズもチャーリー・プラマーも大大大好きだから最後の二人の演技に大泣いた~。統合失調症があまり軽く見えても微妙だけど偏見を助長するような描写がないのは良い。目に見えない心(内面)の話しであり内容は比較的重いが、良い意味でティーンムービーとして成り立っている。カウンセリングのシーンが、映画を見ている人に話しかけるような演出になっていることでより主人公に共感できた。
誰か『ナポレオン・ダイナマイト』の野外上映会にわたしを連れて行ってください。
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