COZY922

インファナル・アフェアII 無間序曲のCOZY922のレビュー・感想・評価

3.8
因果応報。人間関係が、運命が、様々な想いが螺旋のように巡る。

マフィアに送り込まれた潜入捜査官と 警察に潜入したマフィアの手先を描いた傑作「インファナル・アフェア」の前日譚。点対称の構図のもとに緊迫した心理戦が繰り広げられる1作目が 1点に収束していくような流れなのに対し、この2作目は人間関係を横(繋がり)と奥(過去) の2座標に展開してみせる感じ。ヤンとラウの2人は なぜその務めに就くことになったのか、そして2人の真と偽のボスであるウォン警部とサムを巡る渋く苦く濃密なドラマや因縁が描かれる。

秀逸な出来というだけでなくサスペンスのような味わいを併せ持つ1作目と比較するととても地味だしテンポも良くない。2作目の中心人物はヤンとラウではなくウォンとサムなので、ヤンとラウの物語を期待すると肩透かしを喰らう羽目にもなる。が、香港闇社会でサムがのし上がる過程にあった前ボスファミリーとのドラマ、ヤンの生い立ちなどによりインファナル3部作としての厚み深みは増したと思う。

もはや善も悪も無いカオスな世界。そこで生き、自らの選択と運命に翻弄される男達。闇社会をのし上がる男、ファミリーの繋がり、抗争、危険分子の抹殺、裏切り・・と2作目はスタンダードなマフィア映画の体裁ながらアジアっぽいウェットさがあり、欧米マフィアものとは異なる情感を感じる。

このシリーズの2, 3は退屈、駄作、という酷評をいくつか見ていたので覚悟して観たけど個人的には良かった。ただ1点を除いて。(それは 思いっきりネタバレなので書けないけど。) ただし、インファナル・アフェアのファンの人向けなのは確か。1作目は完成度が高いので、このジャンルが特別好きでないなら1作目だけでもいいと思う。