bowcat

ボヤンシー 眼差しの向こうにのbowcatのレビュー・感想・評価

4.2
ポスターみたいにのんびり漂えない

カンボジアの農家で育ったチャクラ
父親から面倒な仕事を言いつけられ
不満たらたらの毎日
サッカー仲間から出稼ぎの話を聞き
夜中に抜け出しタイへ出稼ぎに…

でも、それは単なる出稼ぎではなく
身売りだった
奴隷として売られたのだ
次の日からは一隻の船に乗せられ
網を引き上げ、魚の仕分け、網の仕掛け
寝る時間以外は一日中
食事は茶碗一杯のご飯のみ
疲れて倒れれば、簡単に海に捨てられる
船長たちは、人間と見ていないのだ

チャクラ、まだ少年でした
それでも毎日毎日小魚を獲り仕分けて
それが缶詰のペットフードになるそうです
猫ちゃんワンちゃんの大好きなご飯…
これは現実に今も行われていること
そこは少し考え所でした

彼は徐々にいろいろ学び、要領を得て
歳を重ねて、目つきも変わって
でも、船長が笑いながら言います
「ここが一生お前の家だぞ」
それは絶望以外なにものでもない
生きる意味=nothing

ほんとにそんなことあっていいのか?
でもあるんだから、人間が分からなくなる
ああ無情

ラストの選択にも、また考えさせられたす
bowcat

bowcat