バリバリ80'sニューウェーブのネオンカラーメイクと次々変わる非現実的ドレスが目に楽しく麗しいタベア・ブルーメンシャイン。彼女の台詞は冒頭の片道切符を買うところの手元アップとロングショットでベルリンの歌を歌うところだけ。それ以外に喋ることはない。
レストランを追い出され新聞沙汰になる以外にも配置された人物との絡みはあるものの、寧ろ彼女の存在は透明化されている。男性から誘われることもなく、レズビアン向けの酒場でもとくに彼女と関わろうとする者はいない。彼女は居るけど居ない。
なんとニナ・ハーゲンが出てくる。ブルーメンシャインはニナ・ハーゲンとホームレス女性とだけは仲良く飲むことができる。
男性の酩酊は誇りと捉えられることもあるが女性はそうではない(うろ覚え)という台詞も出てくる。煌びやかなコスチュームをまとった美しい女性が誰にも媚びず無表情で飲み続け崩れ落ちることは、抵抗なのだ。
脈絡が無く外連味の強い画面は学生のころ観てたらもっと楽しめた気がする。