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ヘイターのtomtomのネタバレレビュー・内容・結末

ヘイター(2020年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

 「病的な嘘つき」。主人公トメクに対する冒頭のクラスツキ氏の人間評は、結果的にかなり正確なものだった。上流階級の令嬢に寄せる恋情など、人間的な動機ではあるものの、あまりにも邪悪かつ人を不幸にするその姿は、最早ヘイターというよりモンスターそのもの。主人公に共感できない分、物語に深く惹き込まれない時間帯も長かった。
 しかし、最も恐ろしいのは、病んでいるのは彼だけではないということ。ヘイトやフェイクニュース、ネットいじめ、そして10年前にノルウェーで起きた事件。モチーフになったと思われる出来事が、現代社会が実際に直面している問題であるがために、終始この映画の警告性について考えさせられる。ラストシーンはある意味、最も救いのない終わり方だった。
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