たーぼーん

海辺の彼女たちのたーぼーんのレビュー・感想・評価

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)
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90分弱という短い尺の作品なのに、かなりの長回し箇所が2、3あったかと思う。どれもそれだけの長さが必要であり、決してダラダラ感を生んだりしない、無駄なところが一切ないメリハリの利いた傑作だった。
僕らは長らく悲痛な叫びとともに語られる技能実習生の問題というのは、経済問題や女性問題ではなく労働問題や人権問題だと考えてきた。しかし理屈っぽ過ぎても伝わらなければその解決には至らないし、現実はより複雑で数多くの難問が横たわる。
これを観た後徐々に思えてきたのは、例えばカンヌに向けて製作する是枝監督と同じ様な姿勢で構成され編集されてきているのではという事だ。あまりそうした事を監督やプロデューサーははっきり言わないかも知れないけれど、しのごの言わず勝負しにいってる作品だと僕は強く感じた。
とにかく本人達にどれほどの確信があったかはともかく、結果的に相当な成果が獲得出来ている作品なのだ。