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海辺の彼女たちのsato4のレビュー・感想・評価

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)
3.9
【2021年42本目】
フィクションである事を忘れて見入ってしまった。ナレーションやテロップが入ったら確実にドキュメンタリーだと錯覚してしまうだろう。外国人技能実習生の劣悪な環境から逃げ出す冒頭のシーンを始め、監督が取材を重ねて生み出したいたたまれないシチュエーションの連続に胸がギリギリと締め付けられる。

主役のフォンがとある事情で本国への仕送りを見送った後、実家から鬼電が掛かってくるシーン。知り合いのベトナム人女性と一緒にいる時にまったく同じ事があったので辛くて見ていられなかった(その他にも彼女から聞いたいくつかの話がこの作品を観て繋がった)。この物語はフィクションだけれども、この日本には同じように苦しむ彼女たち(彼たち)が沢山居るはず。どうか制度をキチンと見直してこんな思いをする人が1人でも減って欲しいと願わずにはいられないけれども、もはや日本だけの問題だけでも無くなっているのが難しいところ。ベトナム人を騙す(搾取する)ベトナム人の存在もやはり問題なんだよね……。
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