SUKEZO

パスワード:家のSUKEZOのレビュー・感想・評価

パスワード:家(2018年製作の映画)
3.9
一言感想。
 タイトル……何で「家」って日本語にしたん…?

長文感想。
 タイトルだけ見ると家が呪われんのかwとか思うかもしれないが全く違う。
ネットの怖さとAIの怖さとヤバい情報を見つけてしまった人たちの話。

とても珍しいタイプの作品で面白いと思った。何が珍しいかというと、インターネットやプログラミングの知識がある程度あるか、または興味がある人、以外の視聴者を完全に置いてけぼりにする方向性。IT用語がたくさん出てきたり、スペインの映画なのでスペイン語で話しているけれど固有名詞の部分は英語なので字幕が英語(アルファベット表記)になっていて読むのにも忙しくなっている。それでも前半は初心者にも解りやすく説明していこうとしているのが窺える。

終盤にかけて徐々に話を盛り上げていき、ラスト、どんでん返しにみせかけて、あれ?返してない?という流れも面白いと思った。(いや、そこがどんでん返しなのか)

観終わってからもう一度振り返ると細部の伏線に気づいたりして、それによってラストの解釈もちょっと違うものになったりして、自分的には楽しめる作品だった。


追記:
自称プロのプログラマーの知人とこの映画について話をする機会があったので、もう少し細かい感想を述べることにする。

この映画は前半が後半への必要知識の説明のようなものになっているが、この前半こそが現実世界で起こっている事実で一番関心を持たなければいけない部分である。
実際、中国ではすでに政府による国民の監視システムが実行されている。
WikiLeaksのインシュランスファイルについても都市伝説や陰謀論好きな人なら聞いたことはあるだろう。
非常に残念なのは後半、SFに走ってしまったところだ。「未来が見えるアプリ」はどんだけ技術が進化しても無理だと思う。
ファイルの中身は「極秘文書」の方が現実的だが、映画なのでどうしても視聴者に映像として見せたかったのだと思われる。が、せめて「AIに作らせた未来の映像」とかにした方が現実的だったのではと思う。
知人はプログラムの数値書き換えるとこは面白かったと言っていた。

現在ChatGPTなるものが登場し、誰でも簡単にAIと会話する事が出来る世の中になったが、その危険性は有識者によりすでに指摘されている。
つまり、色々な人々が色々な質問をしてAIに学習させている事になるからね。例えば、AIが人類を滅亡させる方法とか…
SUKEZO

SUKEZO