ひでG

ノマドランドのひでGのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.2
川口に帰省。満を辞して、感染防止対策を万全にしての劇場鑑賞!

10本近くの観たい候補作から、時間帯や自宅近くの劇場などの条件で絞っていって
本作をチョイス!

これも劇場で観れて良かった!

それもこのタイミングで観れたこと、

映画が僕を呼んでいたのかもしれない😅
これも、出逢いだと思う。
ステキな映画をありがとう!

僕は今年、木曽に移住して、あと1年間、あっちに住むことになったこと

定年退職して、次の生き方なども考え始めてること、などなど

今の自分の年齢や立ち位置など、
リンクすることがとても多く、

個人的に刺さったフイルムだった。

これは一般的なロードムービーとは違うと思う。

所謂ロードムービーは、ある目的の為、特定の人々が旅をして、その関係などを変えていく物語だと思う。

しかし、この作品の主人公ファーンにとって、
旅、ノマド(遊牧)そのものが人生の目的なのだ。

ファーンが声を荒げて親戚に抗議する場面がある。

「私が気楽な旅をしているんじゃない!」

ファーンは、全てを乗せて旅をしている、
いや、人生を旅しているのだ。

哀しみも後悔も希望も孤独も

昨日も今日も明日も

全てをキャンピングカーに乗せている。

たがら、彼女はhomeを失うことはないのだ。

亡き夫や家族の思い出は決して消えない。
だから、homeを失うことはないのだ。

homeと共に、常に生きていく。

夫との出会いと別れという人生の大きな峠を経験していることを

まるで、小さく一回ごとになぞるように、
出逢いと別れを繰り返していく。

どんな仲良くなっても、どんなに助けられても、別れがやってきて、
キャンピングカーを見送るファーン。

その日常的な出逢いと別れを乗り越えることを自らに課しているように、

じっと、様々な感情を飲み込んでいるような彼女の表情。

セリフは無くても、いろんなことを
想像されるフランシス・マクドーマンドの演技。

上手いとか、見事とか、そんな陳腐な言葉では表せられない特上の演技!

一つ一つのエピソードは、無関係のように繋がらないように感じるかもしれないけど

一つ一つのことに、1日1日に、
無駄がないように、

この作品の一つずつのエピソードも
有機的に繋がっているのだろう。

亡き夫の姿を回想にして出さなかっだ点

あんだけ同じ生活をしたいた仲間がhouseに帰っていったことで、彼女は自らの生活をもう一度鮮明に描けた点

遊牧民的な生活を経済的に支えているのが
Amazonの仕事だという点

何度か観ればさらにより奥深い部分が見えてくる気がする奥行きの深い、

静かだけど、きちんと伝わる音量で
しっかりかたりかけてくれた名作でした。

一期一会、今を明日を、大切に
生きていこう。

ファーンと共に、ひでGも頑張ります😃
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