もっと実録・底辺みたいなケンローチ系かと思って身構えて観に行ったのだけど全然辛く無かった
ストーリーうんぬんや出演者の語りよりも撮影担当の腕の良さばかりがわたしの興味を掴んで離さなかった
とにかく朝焼けと夕焼けの景色が美しくてたまらない
陽が傾いている時間の風景はただの荒野なのに息を呑む
遠景だけで無く夜の焚き火を囲んだシーンや車内、夜明けの室内などの近景も素晴らしい
光源と光量が限られているにもかかわらずそれを最大限に活かした画面と色彩の作り方はとにかく唸るばかりで、ノマド達の語る自然と一体になってうんぬんという話をこの上なく彩る素晴らしいアシストだった
ただ、有色人も移民もあまりいないし白人ばかりなので、白人のUSシチズンだからこそ成り立つキャンピングカー生活なんだなとめちゃくちゃ冷めた目で観てたのも事実
有色人や移民だったら強盗強姦にあったり殺されたりのたれ死んだりしてんだろうな、とか色々考えちゃった
資本主義にとらわれない生き方とか言ってる割に小金を稼ぐための季節労働とかは資本主義の最たるもんのAmazonだったりするし
白いスニーカーとか白いワンピースとか汚れを気にしそうなもの着てて、その辺は画面の映えを意識してるんだろうな、実在のノマドを出演させてはいるけれどドキュメンタリーではないのだよなぁとも思った
あとあのデイヴさん、憩室炎の緊急手術も腹腔鏡で出来るのだものいい保険に入ってたんじゃないのかね、と思ったらやっぱりちゃんと家族居たし、いいお話にするための脚色が色々盛りだくさんなんだろうなー
