車中泊で日々を過ごす。
お金はなく(その場凌ぎ)
時に孤独だけれど、
同時に自由な羽を持つ
初老女性の物語。
自由には代償も付きもので、
犠牲を払ってまでも
枠には囚われたくない
と実行することは勇気だと思う。
傷ましい心の機微が映るたび、
大地をなぞるカメラワークとか
マクドーマンドの刻まれた皺とか
アリゾナの乾いた美しさとか
鑑賞中はその部分に助けられた。
好きか嫌いかで言ったら
申し訳ないけど私的な理由として
共感は全然できなくて、
居てくれと懇願することはなくとも
自分は主人公のお姉さん側の人間だな
と、改めて思う。
そしてジャガイモの収穫に携わるなら
ハート型を探す方がハッピーだと
アニエスヴァルダ的アプローチを好む。
そういうことが
描きたい作品じゃないことも
うん、わかってる。