はまたに

ノマドランドのはまたにのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.6
スワンキーにとってのツバメの渡りは、ファーンにとっての見慣れたエンパイアの眺めだっただろうか。「もうこれで終わってもいいわ」と思える光景を経て始まる次の旅路には、きっと異なる涼感の風が吹いているのだろう。

自分の生活を考えると生きるということにああまでヒリヒリとした質感はないだけに、最初は自分はまだ恵まれてる方なのかな、こういう生き方をする(あるいは強いられる)人もいるのだなという目線で見ちゃってたんだけど、次第にそういうこっちゃないな、と気付かされた次第。

それは善し悪しや選択肢の話ではなくて、そういう花も咲いている、ということそれ以上でもそれ以下でもないように思える。いろいろ、で片付けられる人生のあれこれに対して、抱えきれない思いや失意や後悔があり、but, that's ok.で受け入れる優しい諦めがある。そしてそこには詩情がある。花に嵐の例えもあるさ的な詩情が。

さよならなんてないのがノマドの良さと登場人物に語らせるが、さよならだけが人生だを描いているようにしか思えないのが日本人である私の詩情。まあ、荒涼とした大地なんてそもそも詩情の塊なんだけどね。

シジョーシジョーシジョーシジョー。どうやら自分は映画が詩として佇む作品が好きみたい。そういうことで、この作品もたいへんよろしゅうございました(←急に書くのめんどくなった人)。

しかし、2021年の映画初めが4月て。年間3本ペース!