たいてぃー

ノマドランドのたいてぃーのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.4
アカデミー賞で、作品賞・監督賞・主演女優賞を獲得。感動作ではあるが、ドキュメンタリータッチで地味さも感じられて、向かないのではと思われたが。本作は、クロエ・ジャオ監督作。前作の「ザ・ライダー」は未見だが、西部劇で評価が高いようだし、次作「エターナルズ」は、マーベルのアクションもの。どんなんだろう?
本作は、ノマドと呼ばれるキャンピングカーで暮らす初老の人たちを描く、ヒューマンドラマ。生活は苦しくて、生きていくのも大変なんでは?と見始めは過酷な状況を想像していたが、それほどキツい描写はなく、ノマドたちの交流が中心となる。主役二人以外の役者は、実際にノマド生活者。リアルさもあって、ストーリーに溶け込んでた。特にスワンキー役のシャーリーン・スワンキー。主人公ファーン(フランシス・マクドーマンド)に色々と語る。カヤックでの50州巡りや子供時の夢とか。その夢は、雪山での鳥が乱舞するシーンで表れる。もろCGってわかるけど、この描写はいいね👍。その他、自然描写は、ふんだんに使われ、ノマドとして生きる人たちを優雅に演出してる。
それとノマドたちの集まりで説法するボブ(ボブ・ウエルズ)。こんな場面での、ありがちな哲学的、宗教的な側面はほとんど無い。素直な言葉でわかりやすく話しかける。この辺りも好感が持てる。
この監督の特長を次作の「エターナルズ」でどう生かすのか?アンジェリーナ・ジョリーにマ・ドンソクって個性的な役者たちに、どんな演技をさせたのか?楽しみではあるが、不安感も強い。