『ギルバート・グレイプ』と対になる映画だな、
とまず思った。
シンドイ。どっちの映画も。
きっと『ギルバート・グレイプ』のジョニー・デップも『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンドも同じようにシンドイ。
一見すると反対の生きかたのようだけど。
なんでこんな生き方をしてしまうんだろう、って探っていく旅。
こんな生活、好きでしてるんだけど好きでしてるんじゃない。
親戚（？）に「自由でいいよな」みたいに言われて怒っちゃう彼女の気持ちわかるなあ。
きっとこの“家”への拘りは普通の人にはわかんないんだろうなあ。
自分も全然理解してもらえないから分かる。
理解っていうか共感か。
古代の文献にその考えが残ってるのは知ってるけど…みたいなリアクション笑
理解は自分でも出来ないから、なんで？と問われても答えられない。
フランシス・マクドーマンドが何故放浪するのか喋らなかったのは答えられなかったからだろう。
そんな彼女も最後にはこの生活が腑に落ちる瞬間があって。
なぜか凄く驚いた。
映画だってことちょっと忘れてたかも。
この心の旅は無限だと思っていたから。
自分にも腑に落ちる瞬間は来るのだろうか。
流石にあの瞬間を、自分を納得させているだけだなんて意地悪は言いたくない。
…今までは家を燃やしたギルバートを見てスッキリしていた。
でも『ノマドランド』を観たら素直にそう思えなくなってきた。
今、ギルバートはどうしているだろうか。
腑に落ちているだろうか。
