Gierck

最前線のGierckのレビュー・感想・評価

最前線(1957年製作の映画)
4.8
1957年アンソニー・マン作品。
本作においてもアンソニー・マンのシンボルでもある山を目指すという構造は変わらず、聳え立つ山の前に人物が対峙する印象的なショットがたびたび見られる上、最終的には下にいる方が勝つところも同じである。
必然的に山を目指して歩くことと停滞を繰り返すのであるが、アンソニー・マンの特徴でもある足を使った感情表現も本作でも際立っており、疲れきってぞろぞろと歩く足、地雷を警戒して緊張感を帯びた足、暗殺されるときの死を暗示する足などがそれにあたる。
また、疲れきった兵士がだらしなく座っているところを、ゆっくりと舐めますように動めくカメラが素晴らしく、あたかもジョセフ・ロージーのようでもあり、アンソニー・マンの新境地といえるショットであるように思う。
ことによるとアンソニー・マンの最高傑作と言えるかもしれない。
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