Omizu

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のOmizuのレビュー・感想・評価

3.7
【第93回アカデミー賞 助演男優賞・歌曲賞受賞】
アカデミー賞受賞作品にも関わらず劇場公開されなかった作品。『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤとラキース・スタンフィールドがWノミネートされダニエル・カルーヤが助演男優賞を獲得した。

実在したブラックパンサー党議長のフレッド・ハンプトン(ブラック・メシア)と密告者のウィリアム・オニール(ユダ)を軸にフレッド・ハンプトンが暗殺されるまでを描いた社会派作品。

意外と淡々とした作品で観やすくはあったが見せ場がなく、この題材自体に興味が持てないとつまらないかもしれない。

意外と簡単に密告者が党の幹部になってしまい、その過程を見せなかったり、群像劇的なエピソードの連なりになっていたりと映画としては薄味な印象。

ただやはり演説シーンのダニエル・カルーヤの迫力は素晴らしいし、奥さんとの関係性の描き方も詩的でしっとりと魅せてくる。

『シカゴ7裁判』のように複雑な駆け引きや明確な見せ場を作ってほしかったなというのが正直なところ。

悪い作品じゃないんだからちゃんと劇場公開してほしかった。
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