スレブレニツァの虐殺を題材にした本作。
95年、日本では阪神大震災が起こったあの年に、遠い場所でこんな悲劇が起こっていることを恥ずかしながら知らなかった。
国連で通訳者として働くアイダが、夫、2人の息子を守るため、模索しながら基地の中に入らせたり、偽造のIDを作成しようとするその姿は良くも悪くも人間味・母親としての強さを感じさせるものだった。
そして元いた場所に戻り、教師として働くラストシーン。老人を、若者を、男性を、女性を苦しめた・殺した奴らの子どもを指導する気持ちは理解するのに時間がかかるだろう。
ジェノサイドは絶対に起こってはならないし、現状のデリート文化にも警鈴を鳴らして行かないとならない。