アネモネ

アイダよ、何処へ?のアネモネのレビュー・感想・評価

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
4.0
こうした実際起きた民族紛争の映画を観るたびにショックを受けてしまいます。

アイダの視点で描かれる為、まるでサスペンスのような臨場感と苦しみがダイレクトに伝わってきました。
同じ街で暮らし、同じ学校で学んだ知り合いと戦うってどういうこと?


観賞後、この映画のポスターの意味がよくわかりました。
劇中何度も映される人々の顔、顔、顔。
思想も民族も人種も男女も関係なく、そこには人間として一個人として生きる人々がいるんだと訴えかけてきます。
何度も書いているけれど、今まで日本人の私には人種どころか民族の違いや宗教によって起こる差別や争いを実感できていなかった。
こうして映画を観て、学びながら考えるようになりました。
けど、このような映画を何度観ても
同じ街に住んでいて、民族の違いで殺し合わなければいけなかった事に深く傷ついてしまいます。
この映画のラストも、アクトオブキリングを観た時と同じく愕然としました。
しかも観賞後調べたら、このセルビア人の侵略は数ヶ月後に制圧されてるなんて!!
この映画によって、尚更
民族紛争の虚しさだけじゃなく、国連の意味までもが疑問に思えて仕方ありません。
勉強不足な私でさえそう思うんだから、史実を知っている人ならもっと憤りを感じると思いました。
オリンピックの意味とかのレベルじゃないんだと絶望したし、この紛争自体たった20数年前で、ニュースになっていたのは知っていたのに、関わらず感心さえ持っていなかった自分も悲しくなりました。

多様性。
ボーダーラインの無くなる未来を願って、今を生きる私達は声をあげていかなきゃって思う。
私はラストのアイダの顔を忘れないでいようと思います。