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アイダよ、何処へ?のながののレビュー・感想・評価

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
4.5
人の愚かしさを記録した映画。
こんな事が歴史ではなく、現在だって起こっている。
日本でだって少し道を間違えたら簡単に起こってしまいそう。
それくらい人って学ばない。

現在進行形で起こっていても、それを受け入れない人間だって多数存在してるしな。

だからこそ、こういう映画には、本当にただただ辛いけれど価値がある。
撮らなくちゃいけないのだと思う。

舞台背景についての説明は一切ない。
ただ、それでも起きている悲劇に関しては十分理解できる。
これをきっかけに勉強しようと言う気にもなる。

観ておくべき映画の一つかもしれない。

ホント国連……。

エッチなシーンは無し。

2023年38本目

他のユーザーの感想・評価

スレブレニツァの虐殺をテーマにした作品だけれども、説明が一切はいっていない。
ただ、作品を見続けるうちに登場人物の発言から紛争の原因を理解することができるので、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を知らない人に対してへのメッセージも弱まることがない。

現代は「Quo Vadis, Aida?」これを調べてみると新約聖書の「Quo vadis, Domine?」が元ネタになっているとわかった。
ネロ帝の迫害を逃れてローマを去ろうとしていたペトロが、アッピア街道でキリストに出会った時に発した言葉とされる。

この作品でアイダは主となる、救いを与える存在として描かれている。
作品中、彼女の事を呼びとめる人が多い。
国連軍を必死で止め、人々を救おうとするアイダは、街の人にとっての救世主になりうる人物だったのだ。

印象的だったのが、一兵士が旦那さんに張り手をするシーン。
助けを求めようとする中で、数々の絶望的なシーンが襲うのに実際の暴力のシーンはそこだけ。
それがあるからこそ、虐殺という最も残忍で強力な暴力があった事実が引き立つ。

この作品を自国の監督が、自国のプロダクションで世界に発信したことはとても大きな意味がある。




しかし国連って肝心なところで機能しない。
この事件に至っては加担してしまってる節もあるし。




2022014
実話の映画としてボスニア紛争の話を見たんですが とにかく 心に刻まれました。つくづく日本は平和と感じます。
なんかちょっとものたりなかった。
なんで戦争てなくならないんですかね。
100shimo

100shimoの感想・評価

3.5
戦争ものというだけであとは何の前情報も入れずに鑑賞。
画面からの緊張感が凄いです。旧ユーゴあたりは民族や宗教が複雑で歴史も難解ですよね。
NATOの空爆に抗議した“ピクシー”ストイコビッチぐらいしか覚えていません。
今作のスレブレニツァの虐殺については恥ずかしながら、まったく知りませんでした。
家族を守ろうと奮闘するアイダ、気持ちは分かりますが、“自分たち家族だけ助かればいいのか?”と疑問に思ってしまいました。でも、たぶんそれでいいんだと思います。
こういう映画こそ多くの方に届いてほしいですね。
Yuta

Yutaの感想・評価

4.5
こんな大虐殺が行われていたとは。きちんと検証して、こういう事が起きないようになってほしいが・・・わかっていながら、助けられない歯痒さ。残された主人公の立場、いたたまれません。
ay

ayの感想・評価

4.0
国際刑事法を形作る”最も悲惨な場所の経験”の一つとして挙げられる旧ユーゴスラビア紛争の事象がわかると、お薦めされた映画。民族浄化と呼ばれるジェノサイドがいかに酷いものかがわかった。
このような悲惨な状況をなくすために、国際法、国連がしっかりと機能するようになって欲しい…。
koki

kokiの感想・評価

4.3
翻弄されてきたバルカン半島の歴史(できればハプスブルク家vsオスマン帝国から)を予習してから見ると、より陰惨さがブーストされるはず。

イスラム、カトリック、正教が入り乱れての三つ巴。

セルビア=悪、ボシュニャク人=善という近視眼的な見方ではなく、是非多面的に捉えて欲しい作品。

内戦後のラストシーンはかなり不気味なので刮目。

1時間20分からが白眉。
yukko

yukkoの感想・評価

3.5
ひっっっでぇ話。
ナチスやん💢

職権乱用してるアイダにシラケて観てたけど、
う〰️〰️〰️ん、アノ状況じゃそうなるか…

はぁ…ホント、ため息しか出ない。。。

アイダ、お産助けてたりイイ人なんだろうけど、顔が意地悪婆さんだから感情移入できなかった💧
申し訳ないけど。

とても酷い話ではあるけど、映画としてはイマイチ。
衝撃もさほど。
まあ、実話だとね、限界あるよね。

ラスト、おもいっきり匂わせてるけど、よしなよ?
じょり

じょりの感想・評価

3.5
アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作品。

国連の通訳者として働くアイダ。戦争の侵攻から家族を逃すため奔走するのだったが。。。

実話ベースです。

どの地域の戦争映画でもそうだけど、本当に人間のクズみたいのが1人いるからそいつのせいで多くの人が犠牲になる。

今作では描かれていないが移送の後女性や子供だってどんな目に遭わされてるか。。。
戦争は本当にダメだよ。今のロシアとウクライナも早く終結してほしい、きっと規模の違いはあれど似たような事は起きてると思う。

ラストのあのおっさんってセルビア軍の奴だよね?自分達が使っていた部屋にあいつが来るなんてなんだよその偶然。辛い。
ラスアスの監督に抜擢されたから気になってたやつ。見放題配信ありがとうUnext。
国連の通訳という立場で他の人よりも動ける分、動いても結果なす術がないという状況は地獄。終戦後のあの展開も地獄。歴史的背景がわからなくても何が起きているのかはすぐわかる構成・演出・没入感はすさまじいの一言
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