このレビューはネタバレを含みます
これは、タイトルは忘れていたけど、前に劇場でも観ていましたね。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年に起きた、スレブレニツァの虐殺を元にした作品。
国連の管理下にあった非武装の安全地帯にセルビア人の軍隊が侵入し、8000人以上の民間人が虐殺された事件だけど、本作は女性監督の作品ということもあって、一人の女性のパーソナルな視点から描かれているのが特徴的でしたね。
でも、彼女の家族を思う気持ちは分かるんだけど、この状況下ではそれが単なるエゴに感じられて、悲劇がストレートに伝わって来なかったかな。もう少し優しいキャラクターにした方が良かったような気がしました。
本作では国連軍のやる気のなさが目立ったけど、考えてみればセルビア人はキリスト教徒で、虐殺されたボシュニャク人はイスラム教徒。それゆえに、もしかしたらキリスト教徒主体だった国連軍は、彼らを見殺しにしたのかも知れませんね。
でも、本作の原題には、何処へ行くのか?という意味で、クォ・ヴァディスというラテン語が使われているんだけど、これは新約聖書からの引用らしく、何だか意味がよく分かりませんでした。