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国境の夜想曲のzogliのレビュー・感想・評価

国境の夜想曲(2020年製作の映画)
2.6
全体の8割は画面が暗いので、スクリーンで観て正解だった
必ずしも目を奪われ息をのむような美しい場面ばかりというわけでは無いし、BGMもナレーションも無く環境音のみなので うっかりすると意識が飛ぶ
(でも装甲車のエンジン音や銃撃音で目が覚める仕掛けがたくさんあるので大丈夫)

自然光をそのまま使った画の作り方
ドキュメンタリーなのに光量や彩度も考えられてるような場面もあって、その場に偶然居合わせて撮った画像などではないんだなとわかった
少し前に見たイタリアのトリュフ映画と同じ手法
…おそらく撮影陣は現地の人たちとだいぶ一緒に過ごしたんだろう

国と自分たちの現状に満足などしていなくても日々のことで精一杯で、お腹は空くし夜になったら眠らなくてはいけない、命は続くのだから

苦しく辛く非道で悲惨な話が 息子を亡くした老母の口から、保護され今は安全に暮らす子供たちから、母親のスマートフォンに残された音声記録から語られる

万人に薦められる作品では無いことは確かだが、自分自身は鑑賞によって得られたものがあった
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