朝田

私というパズルの朝田のレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
3.6
中々の傑作。冒頭の長回しは勿論、全体的に台詞を排除してアクションと表情によって語る演出が施される。タバコを吸いに行く、雪の中で一人走る、現像された写真を見つめるなど。それにきちんと応答する役者陣の熱量高いアンサンブルがとにかく素晴らしい。夫婦間の断絶を萎れた植物や積み上げられたまま放置された食器といったディテールの蓄積で提示する語り口も丁寧で関心させられた。ただ傑作である事は前提として、ややラストカットは全体のトーンからするとやや甘すぎるかなとは思った。支えられる側が、支える側になることを示す手元のカットで終わっていれば更に良かったかと。でも必見ですよこれは。
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