えりんぎ

私というパズルのえりんぎのレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
3.5
冒頭30分がいきなり出産のシーン。こんなに長い出産シーンは初めて見た。長回しノーカット!
ものすごくリアルで生々しい出産シーンに息を飲む。壮絶な出産の苦しみを表現するヴァネッサの熱演。長回しなので、観客も一緒に壮絶な出産を体験する感覚。このシーンを見るだけでも価値あり。
そんな壮絶な出産を経て、二人の先に待っていた運命があまりに悲しすぎる。みるみる家族が崩壊していく。夫婦に起きた悲劇を通して、いくつもの直視すべき社会的問題をリアルに描き出していく。
重いテーマで、憂鬱になるようなシーンの連続で決して軽い気持ちでは見ることのできない作品であることは間違いないが、合間に差し込まれる美しい山や川の映像が印象的だった。
出産は秋頃。その秋から冬にかけてのストーリーだが、徐々に雪が深くなっていく街、やがて雪解けしていく様子など、おそらく比喩的にも使われているのだと思うが、その自然の風景が話のシリアスさを少しやわらげてくれている。
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