JunichiOoya

ミス・マルクスのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

ミス・マルクス(2020年製作の映画)
3.0
マルクスの末娘の半生を、自立への覚醒と挫折という視点で再構築する伝記映画。

覚醒と挫折の双方にどこまで見る者が感情移入できるかで評価というか感想が分かれるのでしょう。

彼女が縋る配偶者への「愛」の共同幻想性と、自身その渦中にはない身で取り組む「労働環境」改善への空回りの連続が見ていて歯痒い。であるなら当然、その歯痒さが彼女への同調や理解、問題共有に至らないということにもなる。

自らの破滅を確信したあの舞い、あれが私にはさほど響かず、というか『シュシュシュの娘』福田沙紀のダンスの切れ味に遠く及ばないのは、私にしてみれば「然もありなん」という感覚。

フランス語の『インターナショナル』。私が歌ったそれとは結構節回しが違っていた。そこはとても興味深く見ました。
そして案の定、映画館を出た後の夜の梅田の街を「立て〜飢えたる者〜よ」と口ずさみながら家路に着いたのでありましたとさ。
JunichiOoya

JunichiOoya