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ミス・マルクスのmityのレビュー・感想・評価

ミス・マルクス(2020年製作の映画)
3.5
カール・マルクスの娘エリノア・マルクスの半生を描いた映画。カール・マルクスも「資本論」ぐらいしか知らなかったけれど、エリノアのことはこの映画で初めて知った。女性や子ども、労働者の権利向上に尽力した活動家としての顔を持つ一方、私生活でカールやエドワードからもたらされた苦悩は相当なもので、まさに激動の半生を生きた女性だった。エリノアの気持ちを代弁するように鳴り響くパンク・ロックが、とても効果的だったと感じるほどに。

金銭トラブルの絶えない人が素晴らしい人だとは思えないから、エドワードはやめておきなと、オリーブ同様、私も思った。金銭感覚が壊れている浪費家で、エリノア以外にも女性がいる不実な人を、それでもどうしようもなく愛したエリノア。エドワードから出てくる耳障りの良い言葉は、エリノアではなくエリノアが持つお金の為ではないか、と思えてしょうがなかったけれど、それでもエドワードの尻拭いをし続けたエリノア。自身が搾取されるという現実は、理想との距離をどんどん広げていき、その狭間で苦しむ姿からは、悲劇的な最期が容易に想像出来てしまった・・・。

エリノアが女性や子ども、労働者の権利向上を訴え尽力したのは19世紀。なのに、同じ問題は今なお横たわっている。自身の中の矛盾に苦しみ続けたエリノアのそれでも闘い続けた人生が色褪せていないことを、ポジティブに捉えてはいけないように感じた。


#104_2021