ツクヨミ

ミス・マルクスのツクヨミのレビュー・感想・評価

ミス・マルクス(2020年製作の映画)
3.1
クラシックとロックで彩られた女性活動家の半生。
"資本論"を書いたカール・マルクスの娘エリノア・マルクスは社会主義と男女平等社会を目指すため活動を続ける…
エリノア・マルクスの半生を綴る人間ドラマ。今作は19世紀末の女性や労働者の実態を明らかにしつつ、活動に身を投じる女性活動家を描く物語の筈が、実際はある女性の性生活を描いたドラマだと気付かされた。それは物語の大半が主人公エリノアと夫エドワードとの徒然なる日々を見せられるからに他ならない。女性活動家のリアルを見れると思って鑑賞するとかなり肩透かしを食らうだろう。
しかし今作の魅力はそこではなく音楽の使い方であると感じた。本作の舞台は19世紀末、クラシック音楽が流れるのは当然であろうが今作ではロック音楽が軽快に流れるシーンがいくつかあった。それはオープニングでエリノアにぐっとズームしていく場面でプログレッシブロックが流れたり、エンディングでエリノアが"前に進む"と発言するとブルーススプリングスティーンの"dancing in the dark"が流れたりと選曲センスが抜群に良いことに現れている。終盤のロックに合わせてエリノアが狂ったように踊るのもいい。
本作のドラマ性には魅力は感じなかったが、オープニングとエンディングのセンスがかなり魅力的な作品なのは間違いない。