資本論で有名なカール・マルクスの末娘エリノア・マルクスの半生。
マルクスは若い頃に亡命してイギリスで暮らしてたんですね。
資本論についても、マルクスについても名前しか知らないけどとても好みの作品だった。
wikiを見る限りカール・マルクスという人は他人に頼らないと暮らしていけない経済状況なのに妻には次々と出産させ、召使にも手を出し出産させ、その子どもをあのエンゲルスの子として育てさせている。
ブルジョワが労働者から搾取することに抗議しながら自分は周囲に借金をし、婚外子を育てさせる。それって形を変えた搾取じゃ無いの?笑
主役のミス・マルクスは父亡き後、漸く自分の為に生きる!と選んだ道がこれまた残念。
愛した男は妻帯者、浪費家で浮気者で我儘、相手の愛情を手球に取るような人間だった。
友達から別れろと言われても、愛なのか、情なのか、信念がそうさせるのか離れられないし棄てられない。
女性や子ども達の教育や地位向上のために闘ってきた彼女が、愛した男に何から何まで搾取されてしまう不幸と矛盾。
19世紀末という時代背景が影響していると思うが、にしても理想と現実が大きく離れているのは現代でも同じ。
時々流れるDowntown boysのパンクロックが心地良い。
ショパンやリストのピアノ曲もとても新しい雰囲気。
ガンガン流れる音楽が彼女の心の叫びの様にこちらに伝わって来る。
ロモーラ・ガライが役にピッタリだったのもポイントアップでした。
因みに婚外子の男の子は父親がマルクスである事は知らされず労働者階級の養子となりロンドンで旋盤工として働き77歳の生涯を閉じたそうです。
マルクス家から切り離されて却って静かに幸せに暮らしたのかも。