ミス・マルクスの作品情報・感想・評価 - 2ページ目

「ミス・マルクス」に投稿された感想・評価

mity

mityの感想・評価

3.5
カール・マルクスの娘エリノア・マルクスの半生を描いた映画。カール・マルクスも「資本論」ぐらいしか知らなかったけれど、エリノアのことはこの映画で初めて知った。女性や子ども、労働者の権利向上に尽力した活動家としての顔を持つ一方、私生活でカールやエドワードからもたらされた苦悩は相当なもので、まさに激動の半生を生きた女性だった。エリノアの気持ちを代弁するように鳴り響くパンク・ロックが、とても効果的だったと感じるほどに。

金銭トラブルの絶えない人が素晴らしい人だとは思えないから、エドワードはやめておきなと、オリーブ同様、私も思った。金銭感覚が壊れている浪費家で、エリノア以外にも女性がいる不実な人を、それでもどうしようもなく愛したエリノア。エドワードから出てくる耳障りの良い言葉は、エリノアではなくエリノアが持つお金の為ではないか、と思えてしょうがなかったけれど、それでもエドワードの尻拭いをし続けたエリノア。自身が搾取されるという現実は、理想との距離をどんどん広げていき、その狭間で苦しむ姿からは、悲劇的な最期が容易に想像出来てしまった・・・。

エリノアが女性や子ども、労働者の権利向上を訴え尽力したのは19世紀。なのに、同じ問題は今なお横たわっている。自身の中の矛盾に苦しみ続けたエリノアのそれでも闘い続けた人生が色褪せていないことを、ポジティブに捉えてはいけないように感じた。


#104_2021
cagesv

cagesvの感想・評価

3.8
聡明で行動力もあり社会で活躍できる能力がある女性が、ダメ男により何らかの犠牲になってしまう話は苦手だなと改めて思いました。

カールマルクス=資本論、くらいの知識しかなかったのでもう少し関連知識があったら楽しめたのかなと思いました。
野菜

野菜の感想・評価

3.7
エリノアの心の叫びを代弁するかのように劇中何度も流れるパンクロックが最高

エリノアがずっとぶち当たり続けた、女が受ける抑圧、男から搾取される社会構造、労働者の劣悪で不当な労働環境、それらは残念ながら現代にもしっかり引き継がれてしまっていて、そしてそれを吹き飛ばせるような希望とか解放を感じるエンパワメントな作りにもこの映画はなってない 最後までただただ現実で憂鬱で苦しい 
父のカールマルクスや内縁の夫のエドワードは『著名』で『立派』で尊敬されている学者や活動家であるけど、女の抑圧については関心がなくむしろ性差別に加担してる  この構図も現代にばっちり引き継がれてて、あらゆる分野で著名で尊敬できるような活動をしてる人がすげえセクシストだったというのは今でもあるあるな話 胸糞が悪い

エリノアは聡明で知的で情熱も行動力もあってフェミニストで社会主義者なのになんであんなクズのエドワードに終始振り回されたのか 自ら服毒して人生の幕を閉じることになる晩年まで献身的に尽くしたのか 彼女の思想との、ものすごい矛盾では…とずっとモヤモヤしながらみていたけど、恋愛と情による人間の選択や行動って確かに矛盾だらけではあるし、それプラス女の場合社会からのケア労働や感情労働の押し付けがある 夫を、父を、男をたてて敬って世話するものって刷り込まれる 聡明でフェミニストのエリノアでもそうなってしまうほどに

ラスト、なにかが吹っ切れたエリノアがパンクに合わせて踊るシーンは少しだけカタルシスがあったけど、その後の展開はやっぱり辛いし最後までしんどい映画やった でも観てよかった

ちなみにクズのエドワード役のパトリックケネディ、ヒモ体質で金遣いの荒いクズ男役にめちゃくちゃはまっててよかった
低評価も納得です

結局、評価されたのは劇中に流れる音楽だけでは?
 思ってたよりあっけなく終わってしまった気はするなあ。

 見てる間、少し前にSNS上で見かけたBillie Eilishの新譜評のサブタイトルにあった〈フェミニストだってバカな恋愛をする〉っていう一節が思い出された。
 劇中でも散々言われてたけど、私も最初から最後までほんまエドワードなんかの何がええんやと思い続けてたんだが、結局恋愛ってそういうもので、そういうことなのかもな。自らの目差す社会の在り方と、生活の上での選択との間に生まれる歪み、人間なんてそんな杓子定規にやってけないんだから受け入れてくしか術はないんだろうけど、その矛盾に苦しむ気持ちはわからなくもない。
 あと個人的には、彼女が社会に対して成し遂げようとしていたことが、100年経った日本で更新できずにいることがなかなかに辛いわ...と思っちゃったかな。
むらJ

むらJの感想・評価

-
運動の内側では「理解はあるけど真実を知らない」ということが往々にあるが、そのことを焦点化した作品。日本の学生運動でも女性は銃後でお茶を入れていた、みたいなところがある。
音楽は好みが色々あるようだが、自分はライブハウスにいるかのように乗れて楽しかった。特に、好きな父親の像が一気に崩れる、エンゲルス家のシーンは秀逸だった。はあ、楽しかったと思って映画館を後にする。この作品はぜひ、アナーキストのあの子にみて欲しい。それで感想を教えて欲しい、そんなことを思いながら。
サントラがいいなと思ってみていたらDowntown Boysやって懐かしい!となった
5,6年前に出したファーストアルバムがめちゃくちゃ良くて、そのあと消えたと思ってたらいつのまにかサブポップに移籍してた。ファーストアルバムのタイトルがフルコミュニズムで映画に合ってるなと思った。内容は鬱鬱だった、虚しい
クロダ

クロダの感想・評価

3.0
マルクスは資本論を書いて共産主義か社会主義かを広めたっていうてきとーな知識しか持たずに見たので、なんも分からんかった。

なんか色々葛藤しながら頑張ってるなとは思ったけど。もうちょっと社会改善の活動にフォーカスしてくれたら分かったのかもしれないです。旦那さんとの関係とか家族のこととかがメインで何をしてるのかが理解できませんでした。

一風変わった音楽は斬新で好みでした。

マルクスの家族について詳しい人は楽しめるのかも。
紫式部

紫式部の感想・評価

3.1
経済学者カール・マルクスの娘エリノアの波乱に満ちた闘争の半生をパンク・ロックをバックミュージックに描いてます

時代背景も映像も題材やストーリーも、かなりの好みなのに、なんでパンク・ロックなのだろう・・・😓

あの時代にマルクスの娘として産まれ、労働者や女性の為に闘う姿は印象的でした✨
ししん

ししんの感想・評価

2.5
かなり皮肉の効いた作品でした。ミス・マルクス自身が著名なアクティビストであり、彼女の公的実践は非常に先進的なものでした。しかし私的実践は公的実践とは異なるものであったことをこの映画は示しています。

結婚の法的拘束力へのこだわり、旦那への献身、使用人たちを使う生活、彼女が忌み嫌っていたものは彼女の周りで彼女を束縛し続けます。この映画はその物悲しさや喜劇性を細やかに皮肉っぽく描いた作品と評価できるでしょう。

しかしそうであるなら、前半が無駄に難解です。難解というのは良い意味ではなく、登場人物や描写が伝わりづらく、観客をおいていってしまった印象です。ここである程度の関係性を観客の頭に植え付けておかないと、後半の内容をしっかり理解させられません。とりわけ工場で運動するマルクスと自分の旦那や出自に不安を感じるマルクスの対比をちゃんと伝えるためには、前半が必須だったはずです。

焦点化した対象やテーマは悪くなかっただけに、描き方がもったいなかった作品でした。

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