ミス・マルクスに投稿された感想・評価 - 5ページ目

『ミス・マルクス』に投稿された感想・評価

harukapi

harukapiの感想・評価

2.0
主題となるフェミニズムとか児童労働撤廃とかについての伝え方がコラージュ感強くて、好きな見せ方ではなかった。正確な年代は覚えてないけど、市民の闘争が何十年経っても全然変わってないこととか、トゥッシーが人の世話ばかりで自分の人生を生きたいと言っていたのに結局旦那の世話をしているとことか、ちょっと絶望感すごい。
僕はあなたを愛しているよ。
"あなたが僕のために生きるならば"
僕はあなたを愛している。
"あなたが僕を立たせる存在であるならば"
僕は愛している。
"あなたが僕にとって都合の良い存在であるならば"

夫の自死は悲劇に、妻の自死はロマンになる世界。
全部全部分かっているのに、私はあなたを手放せない。



彼女が抱え続け、パンクで発露される葛藤は、フェミニズムを考える人の多くが直面するものだと思う。
例えばグレタ・ガーウィグの『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』にて、女の幸せと考えられていた結婚を拒絶し、小説家という夢に向かうジョーは母に対してこう告げる。

「女の幸せが結婚だけなんておかしい!そんなの絶対間違ってる!でも…どうしようもなく孤独なの」

エリノアもジョーと同じ声を発していた。
女性が恋愛関係や結婚関係に入れば、それまで以上の抑圧と摩耗の日々が始まるのは分かっているし、それを否定してきたはずなのに同時にそれを求めてしまう。解放しようと闘う対象そのものに私自身が囲いこまれているということに対する自己嫌悪。
この葛藤には別のパターンもあるだろう。女性が恋愛関係、結婚関係に入ることで被る悲惨を自分自身のこととして知覚する余り、恋愛や結婚に対する恐怖やそこに潜む悪意への疑心が拭えない。あらゆる男性は私に悪意を向けるものであり、世界が遠のいて見えるようになる。
この二重性の間で板挟みになる感覚はそう特殊なものではないはずだ。しかし、多くの人はこの矛盾を隠そうとする。

私は思想と生き方は結び付かねばならないと思っている。少なくともそう在ろうとすべきだと。では、そうした自分の思想の実現にひたすら邁進する人を賞賛しているのかというと決してそうではない。それどころか、そうした人はあまり好きではない。真に思想と生き方が結び付くとき、そこには必ず葛藤が生じる。自分がこれまで身を浸してきた世界の常識、言い換えるならば日常感覚との軋轢がある。その日常感覚は決して取るに足らないものではない。間違いなく、どちらにも幸せがある。エリノアが女性解放という幸せを目指しながら、パターナリズムの温床である結婚という幸せを求めるように。

葛藤とためらいに立ち竦むこと。そうした複雑な状況の中、それでもなお択一的な単純化に逃げないこと。こうした存在を人間的と私は呼ぶ。エリノアはそういう人だった。

このレビューはネタバレを含みます

カール・マルクスを父に持つエリノア・マルクス。
社会主義運動とフェミニズムを牽引しながら翻訳家としても活躍し舞台にも立つ、というマルチ才女(日本でいえば平塚らいてうみたいな感じ)なのに放蕩者で借金魔でアヘン中毒のエドワードへの愛を捨てられなかった。らいてうも相当男に溺れていたみたいだし、社会運動をする人って心身ともにエネルギーに満ち溢れているんだろうなぁ。
父カール・マルクス…ひところ日本の左翼学生の神様だった人。この人だって自分の婚外子を友人エンゲルスの子としてしれっとエンゲルス夫妻に育てさせていたし、しかもエンゲルスの奥さんはカールの娘😨つまりエンゲルスの奥さんは自分の父親がよその女に産ませた子(=腹違いの弟)をわが子として育ててたってわけ。イヤハヤ~´Д`)
結局、エリノアは青酸カリで自殺する。しかも財産を全てエドワード(別の女性と既婚)に残して。
19世紀の話だけど劇伴はアレンジされたクラシックとパンクロック。気が違ったかのように踊り狂うエリノア、
モットーは【前へ進め】だった。
zat

zatの感想・評価

4.0
映画として好みだったかと言われればそうでもないが、この映画で描かれていた困難や皮肉というか不条理みたいなものを、観てから数週間引きずっている…思い返してもしんどい。

フェミニズムとかジェンダー平等がある種のトレンドみたいになっている昨今、お勉強的には理解しているつもりで自ら発信すらしているような人であっても、私生活での恋人や配偶者、上司部下との関係がその思想的な理想通りにいってるとは限らないというか、正反対である可能性すらあるし、結構可視化されづらいのかもしれない…。

おとんがかのマルクスな訳だけど、ミソジニーを内面化した左翼おじさんなんかが観たらどういう反応なんだろう。

エレノアのことをマルクスの娘ということ以外全く知らずに観たので、結末も当然知らず、余計その救われなさみたいなものが鈍痛として残っている。パンクミュージックもその為のフリのようで、ひたすら虚しい余韻だけが残る。

DVとかモラハラの生傷がある人には観ることをお勧めしません。
つくづくダメ男に人生を邪魔されていくエリノアに途中ちょっと苛々してしまったりもしたけれど、こういう作品の中で、あえて選んでるであろうパンクロックの曲が流れるのが新鮮で面白かった。

ビジュアルに上がってたブレてるエリノアが踊り狂ってるシーンだったとは。なかなか衝撃だった。
GOFEET

GOFEETの感想・評価

3.8

▶巷の評判はイマイチですが、個人的には結構楽しんだ一本。
▶ロモーラ・ガライってこんなにいい役者やったっけ?
▶最後、エリノアが踊り狂うシーンが好き!しかも後ろでエイブリングは寝てるし!
▶カールがいくら糞野郎でも彼の思想や著作が糞になる訳じゃないから……
▶パンク・ロックとクラシックが同居するサントラ盤も面白い。
osowa

osowaの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

もっとポップな作品かと思ってだけど、ずっと暗かった。
彼女は強い人だったけれど、男性による搾取に勝てなかったということか。
今の世の中だからこその題材ではあるけれど、見ているのが辛かった。

彼女ほど聡明な女性がダメ男に引っかかって別れられなかったのは、当時の世の中が女性の一人暮らしを許容しなかったせいもあるだろうが、自分の選択が正しいと思いたがったり、損失を取り返したがる人間の心理によるところが大きいのではなかろうか?

こんなの見たら、やっぱり独身で良かったと思ってしまう。
史実としての断片と結末を知った上で観たが、旦那のクズぶりにフォーカスされててああっとなってしまった、実際の活動の話は薄かったので、その点は中途半端さも残った
レディマクベスと間違えて鑑賞🎥
幸い直前に気付き、なかなかフローレンスピューが出てこないなぁと思わずに済んだ

かの有名な資本論📕のマルクスには三人の娘がいて、その末娘が主人公
父親の遺志を継ぎ、ロンドンで労働者の境遇を良くするために戦うことと、
彼女の恋愛がストーリーの二本柱となっている

体感の時間は、クライマックスまではちょっと長かった気もするが
ポスターのシーンが圧巻!!
ああ、こんな風にしたい時ってあるよね
寝る前に家族に、
「あー暴れたい」と言いのこす夜が私にもある

それにしても、惚れたもんだなあ
“罰を受けているみたい”な恋でも、
どうしようもなかったんだろう
使われている音楽も斬新だった
特にピアノ独奏でなくエレキ?も入ってたのが何となく良かった
活動家エリノア・マルクスの激動の半生を描いた話。

民衆を前に力強く演説する姿とは対照的に、観客に向かって語るように弱音を独白する姿が印象的。

彼女の足跡を讃えるかのように、ロックミュージックを流す点が面白い。

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