ショウジ

親愛なる同志たちへのショウジのレビュー・感想・評価

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
3.5
母親に対しても娘に対してもこの分からず屋!と思った。
自国民に対して国家が武力攻撃するわけがないと思い込んでいるのが異常。
お爺さんも自分の娘にもっと早くあの手紙を読んであげていればよかったものを…
人間はどんな残酷なこともできる生き物だという認識を持たなければならない。最後の方のシーンも「まさかこの母親この後に及んでKGBのこと信頼してるのか…?」と思わされたので不穏な終わり方だった。

共産主義にしろ社会主義にしろ、政権自体が自滅するか指導者が暗殺されるかのどちらかを待つしかないんだと思う。自由を勝ち得るために抗議活動して殺されてたら元も子もない。

他のユーザーの感想・評価

slow

slowの感想・評価

4.0
「ハエ一匹通しません」。2022年にもなって、本作にもあったこのような台詞をリアルで聞くことになるとは思いもしなかった。世界は着々と逆行を始めているのだろうか。誰への感情移入もできず、ファッション性から完全に切り離された異国のアーカイブを淡々と見させられているような感覚。これは痺れた。そういう意味では『DAU.ナターシャ』の方が徹底した記録映像風だったけれど、わたしにはこちらの、これくらいの方が良い。
gdbsdta

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3.2
何かが起こりそうな緊張感があり、事は起こり、娘がいなくなり、母が探しに行く。

当時の状況下もわからないし、主人公の勝手な行動もイライラするし、登場人物の関係性もいまいちわかりにくいし、見方が難しい映画だった。
ラストが特に微妙でどう感じればいいのだろうか。皮肉なのかな。

見終わって色々解説みてたら、実際にあった話も絡めているみたい。

ここの国は平気でそう言う事しそうだから別に驚きもしなかったが、胸糞は悪い。

本気で探してたならしっかり掘り返すと思うんだけど、なんであんな中途半端な感じだったのかが謎。
Gocta

Goctaの感想・評価

-
1962年、ソ連南部のノボチェルカッスクでの、工場労働者のストライキから始まるデモに対して政府が発砲、多数の犠牲者を出した実際の事件を背景に、共産党市委員会の課長の女性が工場に勤める娘がデモに参加し行方不明になったため必死に探し求める姿を描く。面白かった。

共産党を信じきっていた市の幹部の女性が、虐殺を目の当たりにし、自分の娘も巻き込まれたことで、政治の状況に強い疑念を抱く。2020年制作だけど、共産党批判にも繋がるこの映画がロシアで作られたのには理由があるのかな。ノボチェルカッスクはウクライナに近い。
chiyo

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3.5
2022/12/3
1962年、フルシチョフ政権下のソ連。地方都市ノボチェルカッスクで、共産党市政委員会のメンバーとして働くリューダ。娘が参加したデモでの銃殺事件をきっかけに彼女の中に国家への疑念が生まれるけれど、それまで当たり前のように恩恵に浴していたこともあって、今さら感と「何だかな」という気持ちが無きにしも非ず。結局のところ、自分の身に降りかからないと現実は見えない。が、市民に対しての容赦ない銃撃、血が落ちないアスファルトへの指示は、ただただ酷く恐ろしい。そして、フルシチョフ政権に疑念は持っても、共産党社会への信頼は揺るがないリューダに少し驚いた。彼女の「恋しい」発言で、彼女の根本は何も変わっていないのだと痛感。監督の政治的信条が気になる。
sususu

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3.7
この時期によく上映してくれたと思った。

内容的には数十年前の話だが、今のロシアとそんなに変わってないように思う。
matsu

matsuの感想・評価

3.9
1960年代フルシチョフ時代のソ連(ロシア)の隠匿された事件を描いた実話ベースの映画


ほぼ同民族のウクライナ国民を殺し、苦しめるロシアの今に通じる姿を見ることができた

そういう意味では見る価値のある映画


ウクライナに近いノボチェルカッスクの
機関車工場でストライキが勃発、大規模なデモに拡大した

物価がどんどん上昇、食料不足、賃金カット、生活困窮により約5000人の労働者や市民たちの不満が大爆発したのだ

デモ隊は市政委員会の建物にも侵入、市政の役員たちは逃げ惑う

沈静化させるため、軍隊とKGBが派遣され治安部隊が発砲、何百人もの死傷者が出た


ソ連は死体を極秘に捨て、街中の銃撃による市民の血を清掃し、何事もなかったかのように処理した

ソ連・ロシアは30年間以上、この事件についてずっと隠匿し続けた


映画の主人公はリューダという共産党市政委員会役員の女性(一般市民ではなく、いわゆるソ連国側の人物)

市政役員だからなのか、彼女は物価高・食料不足にも関わらず、裏ルートで食料を調達し、何不自由なく暮らしている

国政役員との話し合いの中で、国の政策に反抗する者は徹底的に痛めつけるべきだと発言していたが、自分の娘がデモ隊に加わり、発砲され死んだかもしれないとなると手のひら返しで国のやり方に文句を言う全く共感できない主人公だった


ある意味、ソ連・ロシアの国としてのやり方考え方が見えた映画だった…

市民に寄り添うことなく、正しい主張だとしても銃撃で抑え込み、体制に反抗する者は殺害し、政治役員たちは逃げて責任逃れ(責任のなすり付け合い)、都合の悪い死体は極秘処理、社会主義だが全く平等ではなく一部の特権階級だけがいい思いをしている
Keengoo

Keengooの感想・評価

3.0
これまた難しいお話し。
ロシアというお国柄こんな映画作って大丈夫なんだと思った。見え方や感じ方が違うのかな?
国や政治、組織の関係性がよくわからないのだけど、ほんの数十年前でもこんな異常な世界だったことに驚き。
でも考えてみれば規模は小さくても日本でもそんな過激な思想はあるわけで、、
力や権力を持つとろくなことがない。
カラン

カランの感想・評価

4.0
旧ソ連のノヴォチェルカッスク虐殺という1962年の事件を題材にしている。準新作が半額というのでたまたま棚で目についたのを借りてみた。

冒頭。光をふんだんに取り込んだモノクロームの撮影で、早朝、裸の中年男と女がベッドに。ワインのボトルが椅子に。女はこの男の妻ではない。女が買い物のことで強めの口調で何が言いながら、観音開きのように据えられた3面の鏡の前に座る。ストッキングを履きながら軽い口論。手前の男が身を起こして、肩越しショットで空間を作りながら、女への視線を遮る。男をよけてスクリーンを覗くと、女はまだ鏡に囚われている。精細で輝かしく幸福なモノクロームのスクリーンのなかで、画面手前の女の半身と3面の鏡像の4つに分身しており、さらに男の肩で女の表象を切り裂いているわけだが、身支度して出て行くことに忙しい女は気づいていない。。。

わくわくするよねー、格好いいでしょう?(^^) こういうの大好き!

いったい監督はどちら様?と、いったん停止。コンチャロフスキーさん。覚えがある。タルコフスキーと組んでた人だね。ローラーとかね。やったー。で、映画の出来はというと、うーむ。ちょっと薄味だねえ。(^^)

ヤスミラ・ジュバニッチさんの『アイダよ、何処へ?』(2020)的な昂った荒々しい人の群も、そんなにたくさん集められなかったんだろうね、少なく見えないようなショットにしてたけど、少ないし、ダイナミズムがちょっと。川のショットとかは凄いんだけどねー。でかいし、滔々と永遠的だし、光ってるし。

あるいはまた、パヴェウ・パブリコフスキみたいに社会主義の大きな圧力下で翻弄される個人の情欲と愛のドラマを展開したかったんだろう。母→娘の愛に、KGBの男が絡まるのだけれども、娘の描写が薄いし、母である主人公へのKGB男からの思慕は欲情のレベルを超えないんだよね。だって美人だけどきっついっていうだけだからね、この主人公のものとして描かれた性質は。

旧ソ連のフルシチョフ時代に起こった、ストライキだからね。共産党のひいた社会主義体制下で、ストライキってなんだそりゃなわけで、もうちょっとそこのあたりの顛末を丁寧に描いてくれたらよかったかもしれないが、難しいのかも。これからはもっと難しくなるかも。国境に軍隊配置して以降は、かなり強烈な検閲と管理主義だろうからね、あちらのお国は。

レンタルDVDは5.1chマルチチャンネルサラウンド。音質は普通。画質は良い。映像の風合いはパヴリコフスキには劣る。
小山

小山の感想・評価

4.0
🇵🇱→🇩🇪→🇮🇸→🇺🇸→🇨🇿→🇭🇷→🇭🇺→🇷🇸→🇳🇴→🇬🇷→🇷🇴→🇦🇹→🇧🇪→🇧🇬→🇪🇪→🇨🇦→🇳🇱→🇬🇪→🇲🇽→🇺🇾→🇵🇹→🇹🇷→🇮🇷→🇫🇮→🇮🇪→🇦🇺→🇱🇧→🇪🇸→🇨🇭→🇧🇦→🇱🇻→🇸🇪→🇮🇹→🇫🇷→🇬🇧→🇨🇴→🇩🇰→🇺🇦→🇺🇦→🇷🇺
Yoshiem

Yoshiemの感想・評価

1.5
WOWOW寸評に惹かれて鑑賞。たかだか60年前のことなのに恐ろし過ぎるソ連、それは今のロシアにそのまま繋がっているよう。米を敵国と名言する怖さ、自国を偽ってでも守る忠誠、理解できない国の作品。主人公のいつでもキリキリイライラの態度、言葉、行動が観るに耐えなかった。隠蔽されてることなんて我が国でもあるんだろうな…
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