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親愛なる同志たちへのシネマのレビュー・感想・評価

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
3.9
なんか凄い映画を観てしまった感
主人公達が信じていたものがガラガラと崩れ落ちる音が聞こえるようだった

1962年のノボチェルカスク虐殺事件を映像化した全編モノクロのロシア映画

時はソ連時代のフルシチョフ政権
主人公は党の要職にいて、食糧不足であってもコネを使って手に入れる事ができている
主人公はスターリンを支持していて、1944年生まれの一人娘はフルシチョフを支持している
父親がしまいこんでいた軍服は着ているだけで捕まるという事は帝政ロシア時代のものかな…?

今の政権以外であれば批判は大丈夫なのかな
でも、こういうソ連時代の負の出来事を映像化する許可を得ることが出来るなんて…長年隠蔽されてきたらしいのに…

日本はこういう作品を作れるかな…

1922年頃にドン地方であった親戚の悲劇を父親が語るシーンがあり、
「ドン地方には昔から神はいない」と
ドン地方ってどこ?と検索したらドンバス地方がヒットした

不必要な(?)裸のシーンがあったのが気になるが、
今の情勢とリンクして、もしかしたら、ロシア人は皆気づいているのだけれども、全体主義だから、どうしようも無いのかも…と
日本が変な事をやったとしても、自分が何かできるかどうかも自信が無いし…と色々考えてしまった

緊迫感があり最後まで目が離せなかった

他のユーザーの感想・評価

カラン

カランの感想・評価

4.0
旧ソ連のノヴォチェルカッスク虐殺という1962年の事件を題材にしている。準新作が半額というのでたまたま棚で目についたのを借りてみた。

冒頭。光をふんだんに取り込んだモノクロームの撮影で、早朝、裸の中年男と女がベッドに。ワインのボトルが椅子に。女はこの男の妻ではない。女が買い物のことで強めの口調で何が言いながら、観音開きのように据えられた3面の鏡の前に座る。ストッキングを履きながら軽い口論。手前の男が身を起こして、肩越しショットで空間を作りながら、女への視線を遮る。男をよけてスクリーンを覗くと、女はまだ鏡に囚われている。精細で輝かしく幸福なモノクロームのスクリーンのなかで、画面手前の女の半身と3面の鏡像の4つに分身しており、さらに男の肩で女の表象を切り裂いているわけだが、身支度して出て行くことに忙しい女は気づいていない。。。

わくわくするよねー、格好いいでしょう?(^^) こういうの大好き!

いったい監督はどちら様?と、いったん停止。コンチャロフスキーさん。覚えがある。タルコフスキーと組んでた人だね。ローラーとかね。やったー。で、映画の出来はというと、うーむ。ちょっと薄味だねえ。(^^)

ヤスミラ・ジュバニッチさんの『アイダよ、何処へ?』(2020)的な昂った荒々しい人の群も、そんなにたくさん集められなかったんだろうね、少なく見えないようなショットにしてたけど、少ないし、ダイナミズムがちょっと。川のショットとかは凄いんだけどねー。でかいし、滔々と永遠的だし、光ってるし。

あるいはまた、パヴェウ・パブリコフスキみたいに社会主義の大きな圧力下で翻弄される個人の情欲と愛のドラマを展開したかったんだろう。母→娘の愛に、KGBの男が絡まるのだけれども、娘の描写が薄いし、母である主人公へのKGB男からの思慕は欲情のレベルを超えないんだよね。だって美人だけどきっついっていうだけだからね、この主人公のものとして描かれた性質は。

旧ソ連のフルシチョフ時代に起こった、ストライキだからね。共産党のひいた社会主義体制下で、ストライキってなんだそりゃなわけで、もうちょっとそこのあたりの顛末を丁寧に描いてくれたらよかったかもしれないが、難しいのかも。これからはもっと難しくなるかも。国境に軍隊配置して以降は、かなり強烈な検閲と管理主義だろうからね、あちらのお国は。

レンタルDVDは5.1chマルチチャンネルサラウンド。音質は普通。画質は良い。映像の風合いはパヴリコフスキには劣る。
小山

小山の感想・評価

4.0
🇵🇱→🇩🇪→🇮🇸→🇺🇸→🇨🇿→🇭🇷→🇭🇺→🇷🇸→🇳🇴→🇬🇷→🇷🇴→🇦🇹→🇧🇪→🇧🇬→🇪🇪→🇨🇦→🇳🇱→🇬🇪→🇲🇽→🇺🇾→🇵🇹→🇹🇷→🇮🇷→🇫🇮→🇮🇪→🇦🇺→🇱🇧→🇪🇸→🇨🇭→🇧🇦→🇱🇻→🇸🇪→🇮🇹→🇫🇷→🇬🇧→🇨🇴→🇩🇰→🇺🇦→🇺🇦→🇷🇺
Yoshiem

Yoshiemの感想・評価

1.5
WOWOW寸評に惹かれて鑑賞。たかだか60年前のことなのに恐ろし過ぎるソ連、それは今のロシアにそのまま繋がっているよう。米を敵国と名言する怖さ、自国を偽ってでも守る忠誠、理解できない国の作品。主人公のいつでもキリキリイライラの態度、言葉、行動が観るに耐えなかった。隠蔽されてることなんて我が国でもあるんだろうな…
mA

mAの感想・評価

3.8
良し悪しは置いておいて…今もロシアには主人公のような思想を持つ人が沢山いるんだろーなあ。。隠蔽体質過ぎてコワイヨ。
人間の共依存てのはとても怖い。ロシアのみならず、どこでもある事。家族の三者中二者がその時代のノスタルジーに浸かってる感じも。
aopon

aoponの感想・評価

3.5
実話ベースの作品はやっぱ説得力があっていい。
ロシアの闇をモノクロで描いたのもいい。
このロシアの闇が今現在も続いてるのが恐ろしい。
まほに

まほにの感想・評価

3.7
ソ連の冷たさを肌で感じる
今の情勢と照らし合わせると、最後の台詞が重くのしかかる。
何故あの台詞をチョイスしたのだろうか
あれから何か変わっているのだろうか
2023_079

思想と心情

教育と洗脳

希望と絶望


東西冷戦下の1962年、ロシア(ソ連邦)南部のノボチェルカッスクという町で起きたソ連邦崩壊後の1990年代まで約30年間隠蔽されていたとされる虐殺事件を描いた作品。

こんなことが、という明かされる事実と、共産主義者としての生き方と、親として娘を思う気持ちとが交差する。祖国を冷静かつ批判的な視点で捉える監督は素晴らしい仕事をしたと思う。

美しいシーンは光の暖かさで、残虐なシーンは冷静さで、時折定点で鋭くただ事実を写し出すといったシーン毎の違いに拘りを感じた。

ただこの様な話をこんなに美しく(あくまでも映像的に)描いて良いのか?という疑問は残った。

ラストは秀逸。あのセリフの選択は希望を見せるが実際の所KGBはそんなに甘くないよなあ。背筋が寒くなる。

さて、今の日本はどうだろう?隠蔽や密告、冤罪。正しい国と思想と教育。もはや他人事ではない気がする。
犬

犬の感想・評価

3.5
許可

1962年6月1日、旧ソ連の地方都市ノボチェルカッスク
スターリンからフルシチョフへと政権は移り変わったものの、物価の高騰や慢性的な食糧不足で国民の大多数は生活苦にあえいでいた
そんな中、同地の工場労働者たちが、抗議の声を上げるべく大規模なストライキを敢行
モスクワの中央政府は、デモ隊を鎮静化すべく高官や武装兵たちを現地へと派遣し……

1962年、旧ソ連で起きた大量虐殺事件と国家により長年隠蔽されてきたこの悲劇を、ロシアの巨匠A・コンチャロフスキー監督が鮮烈に映画化した衝撃の問題作

体制

恐ろしいことが

会話
人間ドラマ

工場のあれこれ

混乱
アクションもあり

社会派な内容
モノクロの映像

最後はどうするか
何を信じていいのか、誰が味方かさえも分からない国。全員逮捕だと喚いた割に娘に火の粉が及べば隠す有り様。
誰も信義の心など無い。
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