ゆめちん

ニューオーダーのゆめちんのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
3.5
ニューオーダー

上映館が少ない中、たまたま近くの映画館で上映していたので、簡単なあらすじのみ頭に入れて鑑賞。こんな救いようがない作品だとは。
 
裕福な家庭に育ったマリアンの結婚パーティーに、着飾った政財界の名士たちが、祝福のために邸宅へ集まっていた。一方、近辺の通りでは貧富の差への抗議運動が暴徒化する中、ついにパーティー会場にも暴徒が押し寄せ、祝いの席は一変する。
 
86分とコンパクトに纏められ、冒頭の鮮やかな緑色の水が強調された映像の数々が印象的。
前半の結婚パーティーシーン以外はずっと辛い映像が続き、生々しい描写も盛り沢山。好き嫌いがはっきりと分かれそうだけど、少なくとも良い気分で映画館を後にできる作品ではない。

主人公が助かったり、美男美女が救われたりという、予定調和的なものは一切なく、善意のある登場人物であっても酷い目にあうのがリアル。ここまでやるのかと気が滅入るほど、徹底した "容赦の無さ" に背筋が凍る。
 
貧富の格差が広がり、さらに政治が不安定となれば、この映画で起こることは現実味があり、恐怖を覚える。メキシコだったらあり得るかもと高を括っていると、日本でも同じことが起こるかも知らない。
 
ゆめちん

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