ハム

ニューオーダーのハムのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
2.9
前情報は胸糞映画とだけ聞いて観たのだが、本当に後味の悪い鬱々とした映画だった。

貧富の差、人種の差で酷い扱いを受けてきた非白人貧困層の起こすデモから始まる新体制の話だが、およそ人間のすることではない様な酷い仕打ちばかりで見ているだけで辛い。

最終的に白人富裕層の軍隊にデモ隊含め非白人貧困層の人達は全員処分されることになる訳だが、目には目を歯には歯をと同じことをやり返していたらこの醜い争いは終わらないよ、と悲しくなった。

善人、悪人に関わらず容赦なくどんどん殺されるのがより現実的で救いがない。
主人公のマリアンとその使用人クリスチャンが白人層の軍に殺されてしまったのは、マリアンが優しい人物だったからだろう。
全部悪いのは相手で自分達白人側は被害者なんだとする為に、非白人層にも良い人たちは居るんだと手を差し伸べそうなマリアンは処分したんじゃないかな。

日本で生きていると実感の無いことだが、私たち日本人も一歩国の外にでればアジア人の有色人種として扱われることを考えると他人事では無いし、国内でも今の苦しい情勢からいつ暴動が起こってもおかしくない訳でそういう部分でも色々と考えさせられた。
ただかなり不快指数高めで気分の悪くなる映画なので点数は低め。
ハム

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