The World to Come(原題)の作品情報・感想・評価

「The World to Come(原題)」に投稿された感想・評価

LALA

LALAの感想・評価

3.3
寒い…
指先凍りそう
[驚きと喜び、或いは不在と消失についての物語]

2020年のヴェネツィア映画祭コンペに選出されたモナ・ファストヴォルド監督二作目。2019年のカンヌ映画祭コンペのセリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』、2020年のカンヌ映画祭のフランシス・リー『アンモナイトの目覚め』と同様の系譜に乗った作品であり、事実、本作品を観た多くの観客がそれらの作品と比較している。上記二作品と本作品が異なるのは、主人公となるアビゲイルとタリーがそれぞれ結婚していて、二人の夫が彼女たちの物語に介入してくることだろう。1850年代のニューヨーク北部の農場は人もまばらな開拓地であり、二人の夫は彼女たちと"隣接"する外世界として機能しているのだ。また、二人の女性に身分差がないことも異なる点の一つだろう。物語の開始時点から彼女たちは平等であり、それぞれ旦那への不満をきっかけとして仲を深めていく。

アビゲイルとその夫ダイアーは少し前に幼い娘を亡くしており、二人は未だに悲しみの中に取り残されている。ダイアーは前を向こうとするが、彼の"愛情"にアビゲイルは取り合わない。そんな頃、近所にタリーとフィニーの夫婦が引っ越してくる。二人は他愛もない話や不満などを共有する過程で親しくなっていき、タリーはアビゲイルの優しさと知性に、アビゲイルはタリーの自立心に惹かれていく。しかし、映画は意外にも彼女たちの触れ合いをあまり描かず、互いの不在を描いている。『アンモナイトの目覚め』には女優どうしのケミストリーが感じられなかったが、本作品ではケミストリーは感じられるのにそれを発揮する場所が与えられない。

映画はアビゲイルが日記を読み上げる形で進んでいく。"知性を磨いて世界のために何かできると思っていた"と語るアビゲイルは、日常生活における感情の発露を主にこの日記に対して行っており、必要最低限の会話以外は交わさない家の中で、日記の雄弁さは光り輝く。ただ、その文学的な表現は確かに美しいが、あまりにも過剰すぎる。時には会話を遮るような形でアビゲイルによるナレーションが画面内の物語に介入するため、映像的美しさと詩的表現の美しさが互いを殺し合っているのだ。こうなると、監督は俳優たちの演技を信頼していないようにも見えてくる。

本作品は大きく三つのパートに分けられる。日記朗読、タリーとの日々、そして厳しい生活である。この"厳しい生活"には過酷な自然環境の中で生きるという意味もあれば、女性に対して抑圧的な夫たちの態度も含まれる。一生家に縛り付け、家事炊事牛への餌やりをやらせ続けるということを、ダイアーは間接的に、フィニーは直接的にそれぞれの妻へ示す。アビゲイルの燃え上がる怒りは、家に取り残されたまま焼け死んだ顔も映されない近所の女性についての短い挿話で視覚的に明らかになる。しかし、映画は"時代が時代だから"という理由で、夫たちがどれだけ妻たちの世界の足を引っ張るかという点を描くだけに終始しているのはなんとも微妙な印象を受ける。これらの魅力的な三つの要素は、それぞれが上手く噛み合わないまま大いなる消化不良を起こして立ち去っていくだけなのだ。

本作品は不在と消失の物語である。タリーという存在の物理的消失も含め、アビゲイルが求めているもの/大切にしたものは全て最初から不在か消え失せてしまう。それに対して、日記は消失した"表に見せる感情"の発露であり、それを最終的に"想像力(=自由さ)はいつでも磨ける"として肯定する構造になっている。しかし、何もかもに"不在"を当てはめるために消去法的に主人公の独白となってしまった感じが否めず、やはり映画から不在にさせるものが多すぎた様に思える。結構期待していただけに辛いものがある。
サンダンス映画祭にて。

19世紀アメリカの農村の二組の夫婦の話。それぞれの夫のためによき妻でありつづけた女性の日常からの逃避。

ヴァネッサ・カービー x クリストファー・アボット組、キャサリン・ウォーターストン x ケイシー・アフレック組が夫婦を演じてた。

当然のように夫につくし、夫のために日々の事をこなしてきた二人の女性がある日の出会いをきっかけに、結婚生活の苦痛からほんの少しの解放感を味わう。

ほんの少しのはずが、今まで無意識に自身を抑圧していた反動なのか二人の思いは情熱的になってくる。

夫側の姿がなんともいえない。特にアボットの演技が。
今までの夫婦生活はなんだったんだと言わんばかりのボー然ぷり。
女性が夫のためになにもかも犠牲にしているのが当然という考え方がまだまだ根強い時代だろうしね。

妻は夫に尽くして当然とい古い考えを今でも持っている旦那さんはすぐにその考えを捨てましょう。