このレビューはネタバレを含みます
いつものリーアム映画よりも若干普通の人よりの強盗犯が巻き込まれるサスペンス。
主人公の目的が穏便に自首すること、という点は斬新だし渋くていいと思う。60代後半のリーアムが役に合っている。
登場人物も最小限で、それぞれの心理の流れも自然で分かりやすい。特になんの特殊能力もなく、カリスマ性もなく、特段サイコパスでもない、ただ欲に目がくらんで行動するニーヴンス捜査官のしょうもない邪悪さが随所に描かれていて、ジェイ・コートニーがはまり役だった。そういうしょうもない悪党にふさわしいしょうもない決着のつけ方という意味では、あのだいぶ地味な顛末も合っているのかもしれない。
一方で、警察も捨てたもんじゃないと思わせるジェフリー・ドノヴァンのベテラン刑事役もベタベタな役ながらも味わい深かった。
主人公の彼女が、若干都合の良すぎるキャラに見えたのと、強盗をした理由および奪った金をどうしているのかという設定についてはいくら何でもそんなわけあるかと思ってしまったのが残念。
目新しいアクションもストーリーもないけど、職人がきっちり作った普通の面白い映画という感じで98分しかないので、空き時間にぜひ見てほしい。
