青森を舞台にした少女の青春譚
それだけじゃない複雑さがある。
高校1年16歳。相馬いと。
少女の世界が変化していく様は、
静かにこちらの琴線に触れ、
鑑賞後、じわじわと自分の中で
生の活力がせりあがってくるのに気づく。
標準語と方言
東京と地方
ジェンダーとメイド
伝統と継承
ローカルとグローバル
それらに安易な答えがなくとも、
少女の成長とともに、
それらをしぶとくも爽やかに探り当てようとするこの映画は、ご当地映画の傑作だ。
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ご当地映画として、
方言の捉え方がさすがに見事だ。
訛りの強さは、時に微笑ましくもあるが、彼女が抱える悩みのディスコミュニケーション性も内包し、コンプレックスとしても描かれる。
また、同じ家の中や教室で交わされる
方言のささいな差異は、
それだけで登場人物のアイデンティティや背景にあるグローバリズムを感じさせる。
青森の中で同じ方言でいじられる事があるのは知らなかった。
さらに標準語と津軽弁、もはや違う言語とも言っていい、それらで会話が成り立つおかしさは、ドライブマイカーの多言語劇さながらに、コミュニケーションの本質を考えさせられた。
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関係ないけど、映画にでてきた台詞。
「普通に考えて?主語だれ?」
めっちゃいい言葉だ。