filmarksの評価が高く、ジャケットから、シャキシャキした女の子のハツラツな作品かと思っていたら、全然違い、その逆でした。
それがまた味わい深くて、慈味と言いましょうか。すごく好きになりました。
無口で人見知りな高校生のイトが、自分の道を歩むまでの青春物語。
岩木山を正面に、縁側でイトが津軽三味線に集中していく姿に、何か羨望のような思いになりました。
祖母、亡き母の津軽三味線を耳コピで覚え大会で優勝したイトがなぜ練習しなくなり、やめてしまったのかは、わかりませんでした。青春の憂鬱で停滞期だったのかな。将来への確たる夢もなく、同じ高校生活をこなすだけの日々に、アルバイトをしようと思い立ったのはいいけれど、初めての世間。
コメディタッチのようでいて、登場人物のセリフや考え方にリアリティがあり、ただいい人たちなだけではない。言葉にしないイトの気持ちを酌んだり、社会の厳しさを伝えたり、感情をぶつけたり、引きこもり気味のイトが世間に出ることで、初めて守られていたことや自分が心を閉ざしていたことに気づいていきます。
まず脚本がよく、キャスティングが絶妙でした。
三味線を覚えイト役に臨んだ駒井蓮、見いってしまいました。
イトの父はトヨエツ。知的なお父さん役も似合って素敵。
おばあちゃん役は一般の方?存在感がありました。
メイドカフェのマスターに中島歩、金城武似で渋くて素敵。
とても好きな世界でした。
津軽弁が優しい。言葉は聞き取れないけれど、心が手に取るようにわかりました。
単語一つ覚えました。
「け!」🍰
ケーキのことじゃないですよ。