爆裂BOX

ゾンビアーミー ~死者の軍隊~の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.0
第一次大戦下、激戦地となった「ソンムの森」ドキュメンタリー番組撮影の為森を訪れたTVクルーは不安な気持ちを抱いたままロケを開始するが、やがて不可解な現象が起き初め…というストーリー。
イギリス制作のPOVゾンビホラーです。第一次大戦時激戦地となったフランスのソンムの森をドキュメンタリー番組撮影の為に訪れたTVクルーが蘇った独軍ゾンビに襲われてしまうというものです。
前半はクルー達が口論したりしながらドキュメンタリー番組撮影していく様子が描かれますが、リーダー格の映像作家が傲慢でやらせ上等な性格で他のスタッフや出演者との間にドンドン不仲な感じになっていきます。そんな中で撮影していると遠くに兵士たちが行進している姿が映ったり森の中に人影を見たりと不思議な現象が起き始めます。ここら辺は地味ですが、オカルティックな雰囲気が出てて個人的にはそんな悪くなかったですね。まあ、スタッフ同士の喧嘩みたいなのはウザいですが。歴史学者のブライアン博士が結構居心地悪そうな感じにしてますが、塹壕や古い兵士の死体見つけた途端テンション上がって解説する所は面白かったですね。
夜になるとゾンビになった独軍がワラワラと現れ襲い掛かってきて塹壕に逃げ込んだクルー達が何とか脱出しようとするさまが描かれますが、草原でワラワラ現れたゾンビに襲われて包囲される所や狭い塹壕の通路で遠くからゾンビが近づいてくるシーン等はそれなりにハラハラさせられましたね。ただ、怪奇現象のせいかカメラの故障かノイズが走りまくるのはウザかったですね。
ゾンビはノロノロタイプで拷問で殺された英国兵の呪いで独軍がゾンビになった呪い系です。でも人を食うカニバル描写もちょっとあるので「処刑山」のナチスゾンビをちょっと彷彿しました。呪い系っぽいので噛まれても感染しないかと思いましたが、ラストを見ると噛まれたら普通に感染するようですね。メイクはしっかりしてるようですが、POVなのでちょっとよくわからないんですね。ゴア描写は殆どないですね。
POVですが、編集された設定なので結構怖がらせるようなBGM流れるのでそれを邪魔に感じる人もいると思います。
終盤で自分勝手なクズ野郎だった主人公が漢気見せる所はちょっと良かったですね。その後の遅れてきたスタッフの下りはあんまり要らなかったんじゃないかな。生き残った女性のシーンだけで良かったんじゃないかと。
結局この土地自体が呪われてたという事かな。後、このカメラを誰が回収したという疑問はこの手の映画につきものですな。
POVは酔いやすいんですが、この映画は殆ど酔わなかったですね。全体的にオカルトテイスト漂う作品でゾンビとの激しい戦闘期待するとがっかりするかもしれません。