高橋早苗

ベクシル 2077 日本鎖国の高橋早苗のネタバレレビュー・内容・結末

ベクシル 2077 日本鎖国(2007年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

世界を独占した自社の技術を封じ込める“国際協定”に反発
政府をも操り
自国を鎖国に導く一企業・DAIWA

2077年の日本は
外国人の入国を許さず
全土を電子の壁で覆い
偵察衛星ですら様子を伺い知れない“ハイテク鎖国”状態


そんな日本に
アメリカの特殊部隊SWORDの隊員・ベクシルが
一人だけ 潜入に成功する



彼女が見たものは
かつてトウキョウと呼ばれた町ー高い壁で囲まれたスラム

壁の外は、アンドロイドにすらなれなかったヒト…鉄の塊でできた巨大な集合体“ジャグ”がはびこる、見渡す限りの荒野

山も川も
ヒトも
何もない日本の姿


べクシルは スラムを見てつぶやく
「みんな、生き生きしてる」
どこか懐かしい、と


その「生き生きして見える」人たちの中に
もう赤い血は流れていない



鎖国初期
研究段階のサイバーウィルスが
秘密裏にばらまかれ
そうとは知らず 機械に侵食されていった日本国民


最後に脳が侵食され コピーが終わると
記憶を持たないアンドロイドと化し
DAIWAの支配下に堕ちる



スラムは
機械に侵食され
人間の欠片だけを残したヒトで溢れている

企業に戦いを挑む仲間の一人が言う
「みんな らしく生きようとしているだけさ」


お話はというと
かろうじて“人間の欠片”を持つ者たちが 最後の望みをかけ
人工島に続くトンネルへ エアバギーで侵入する
鉄のワイヤーを引いて

ジャグをおびき出し
企業を潰そうとする


「らしく」生きようとしている人と
「らしさ」を失わないうちに
その手に取り戻そうとする人たち



○○「らしく」生きようとしているだけ

男性らしく
女性らしく
親らしく
子どもらしく

社会人らしく
企業人らしく
フリーランスらしく


呟いてザワザワするなら
あなたもわたしも
何かに侵食されているのかもね^_^
高橋早苗

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