ねこみみ

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「シラノ・ド・ベルジュラック」のねこみみのレビュー・感想・評価

3.5
特別上映行ってきました〜!
先に「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」を観ておいてほんとによかったと思った…笑

私はジェームズ・マカヴォイのファンでもないし、舞台のファンでもないし、シラノ・ド・ベルジュラックの公演を生でみたこともないので、何の色眼鏡もなく今回の「シラノ・ド・ベルジュラック」についての感想。

序盤はめちゃくちゃつまらなくて3000円も払ったのにどうしようかと思った。

正直、マカヴォイ以外の役者が全員微妙。なにこの素人の演劇みたいな始まり・・・しんど・・と思いながら不安になりながら観てた。役者陣を無理やり多国籍で揃えてる感じもあからさま過ぎてなんか冷める。こういうのは役にあってる役者をちゃんと使ってほしい。この使い方は気持ちよくない。ロクサーヌさすがにちがいすぎる。

加えて、英語も英国圏での笑いのセンスも全くわからないので、現地で起きてる笑いと自分の温度差にだいぶ引いた。
え?なにがおもろいの?この下手な芝居で何に笑ってんの?と思ったし、現地の客がめちゃくちゃ笑ってるところでこっちの客静まり帰ってて逆に面白いほどだった。

舞台セットもほぼなにもないシンプルなもので、役者も全員最初から最後まで私服みたいなやつで演じる。
これ、演技力が半端ない役者でやったらかっこいいけど、この力量でやられても見てて恥ずかしいんだがって感じだった。舞台セットや衣装に助けてもらった方がいいんじゃないの…

なんとか観続けられたのは、「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」を観てたからですね…。
これから面白くなるはずこれから面白くなるはずと言い聞かせながら耐えた

シラノ役のマカヴォイが出てきてからは圧巻!
明らかに演技力が違う!体感10倍ほどの差がある。驚いた。
この3.5の星は全部マカヴォイがもっていきました。

彼も終始ユニクロのウルトラライトダウンみたいなやつか黒Tっていう超シンプル衣装だったけど、台詞回しも表情も声の演技も動きも、すべて、なにもかも、格がちがった。

あれほど上手い人が演じ始めると、シンプルな舞台セットも衣装も輝き始める。
だって彼の顔と声だけで泣けちゃうんだもの。
そして英語がわからない私でもわかる、マカヴォイの英語、めちゃくちゃ独特ですね。面白かった。

内容は現代風にアレンジしてあるけど、ちょこちょこ男尊女卑とか同性愛をバカにするような表現があってウッとしつつ、まぁ19世紀の戯曲だもんね…と我慢我慢。
クリスチャンかわいそうすぎ。

この舞台が獲得したローレンス・オリヴィエ賞は、ジェームズ・マカヴォイが取ったといっても過言ではないと思う。

あ、上映時間長いけど、合間に20分の休憩あります。舞台と同じ長さで休憩です。(休憩中も休憩中の舞台がずっと映ってる)
私はコーラとホットドッグを買いに行きました。みんな御手洗にいってました。
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