waki

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「シラノ・ド・ベルジュラック」のwakiのレビュー・感想・評価

4.5
ずっと見たいと思ってて上映権切れると知ったその日に東京行きのチケットを取った。

私の親シラノ(初めて見たシラノ)はピーター・ディンクレイジ版だし、彼のシラノが大好きだからどうしても比べながら見てしまうんだけど、マカヴォイ版はシラノ・ド・ベルジュラックという男に対する解釈がめちゃくちゃ好きだった。
肥大化した劣等感、美醜への執着心、周囲からの敵対心と憎悪で生きる自由で不自由な男。
外見は醜いけど心は美しい、みたいなよくある(陳腐な)話じゃなくてシラノがどう生きて人と関わってきたか、それがどんな形で反映されているのかが全部一直線でつながっているような解釈で、「人間だ!!!」となった(どんな感想?)
マカヴォイシラノはあまりに人間臭すぎていろんなことを拗らせてる私としても「そうだよな!!人間ってそんな正しく美しくいられないよな!!!!」って肩組みそうになる笑笑
ディンクレイジシラノは高潔でカリスマ性強くてそれはそれで好きなんだけど……。

ロクサーヌもとても良かったな。賢く、意思が強く、自分を偽らない女性として描かれていてこんなん好きになるしかない。
あとこんなにも英語がわからないことが悔しくなったことはないってくらい前半の台詞とラップの応酬がすごすぎた。これは字幕に翻訳するの不可能レベルに秀逸なやつだ…。
waki

waki