ぬまつ

回転ドアのぬまつのレビュー・感想・評価

回転ドア(2014年製作の映画)
3.5
短編。

この作品内での出来事、一昔前の自分のこととちょっと似てる。

20代半ばの頃だったかな、とある日の夕方。
新宿駅の通路で、カバンを肩にかけて小走りで進んでいたら、同じような感じですれ違った同じ年代くらいの女性と、カバン同士がぶつかっちゃって、しかもどう絡まったのか、ベルトに巻き込まれてお互いのカバンがドッキングしちゃってお互い立ち往生しちゃって。
それをほどくまで時間にしたら10秒くらいだったのかな、まさかの不思議な出来事に、すみませんすみません言いながらお互い笑い合って、そのまま別れていったんだけど、
向こうがどういう人かは知らない。焦ってほどくのに必死で顔をちゃんと見たわけではないけど、明るくて素敵な、普通に好みな感じの女性だった。だから恋人持ちかも、既婚者だったかもしれない。そのときかなり急いでいたのかもしれない。しかしどうせもう会わない人だ、冗談と捉えられたっていいじゃないか、こんなおかしな出会いめったにないぞ、玉砕や通報覚悟の上で、あの笑い合っていた楽しく素敵な数秒間のあと、俺は彼女を引き止め、そこいらのお店でお茶しませんか、と、勇気を出して一言声をかけることができていれば、何か素敵な未来が訪れていたかもしれないのに、なぜそれができなかったんだ。

その後悔の気持ちを、この短編映画を観て思い出しました。



というレビューです。

ここに登場する女性、あ、これひょっとしたらあのときの自分かもしれない、と心当たりのあるレビュアーさんがいましたら、お茶しませんか。
ぬまつ

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