どーもキューブ

水俣曼荼羅のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

水俣曼荼羅(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

原一男監督の水俣病について



疾走プロダクション提供
編集・構成奏岳志
プロデューサー小林佐智子、島野千尋ほか
プロデューサー、撮影、監督原一男


 

日本のドキュメンタリーのトップアスリート、お気に入り監督、原一男。
ここでおさらい。

まずはじめは、もちろんこちら 「ゆきゆきて神軍」(レビューまだ)とある戦争で傷をおった人、その男「オクザキケンゾウ」という人に密着してみたドキュメンタリー。
最初、。あまりの衝撃でダビングしたのを消した過去。見返すのがこわかった。見たのは10代。
だが、書店で原一男監督の本を購入した(今、紛失)
びっくりしたが、しかるべき考えがある方だと。あと ゆきゆきての前に作品があった事を知る。もちろん見てみたかった。ていうか危険人物かと思っていた。あの奥崎と共に行動している時点で怖い人と思った。過激派の人だと思い違いしていたが、本読むと違うとわかった。

原一男対小説家井上「全身小説家」
小説家の虚と実像と嘘と真実。「キネマ旬報」をわりと買って読んでいた時期に出会った。あの原一男監督の新作と思ってビデオを借りた気がする。もちろんめちゃめちゃ面白かった、いや見たことないドキュメンタリーに出会った感じだった。原一男監督の対論たる密着性にうなる。


 
「さよならCP」原一男対表現する障がい者。
ビデオ屋で探してあってすぐレンタルした思い出深い「さよならCP」原一男監督の原点であり、やはりびっくりしたのだ。出演者とともに原一男にびっくりしたのだ。あと福祉出身なのも気になった。頭の良い学識高い感じでわない、情熱的な作家に見えてきた。ドキュメンタリー作家というと高学歴監督が多い、映画監督もある種の高学歴世代なり、そういう出身が多かった。

 原一男監督の恋について、自分について
「 極私的エロス1974」
こちらもビデオ屋で発見してみた、完全に原一男監督のプライベートフィルムドキュメント。元祖「ハメ撮り」の生まれた映画でもある。
原一男監督の上映会でDVDを購入した!

いつものビデオ屋でDVDを見つけて見た作品。難産たる初めての劇映画。お疲れ様でした、、、。原一男のフィクション「またの日の知華」

「いたいふたり」「トキワ荘の人々」「シンゴジラ」等々俳優作品もわりと見て散見。監督の俳優は、実に味がある。

原一男対石綿村の人々、行政、国
「ニッポン国vs泉南石綿村」
原一男対「政治」3部作のはじまり。
 
原一男対選挙ドキュメント。 原一男対政治ドキュメント第2弾「れいわ一揆」

原一男監督が「水俣病」についてずーっと撮っているというのは、雑誌とかで見ていた。まだSNSもない時。

あまりにも素晴らしい単独独走のぶ厚い政治ドキュメントを撮りあげ、もうすぐ公開になると「れいわ一揆」の上映会の時におっしゃっていた。

時はたち2022年。コロナやら、政治やら、病やら色々あるなか、。ついに完成の超大作は、6時間超え!!!

こんな鑑賞履歴の俺が行かなくて誰が行くといわんばかりにシネウインドにて、エナジー系ドリンク2本一気飲みして、気合いれる。

新潟シネウインド、ゴールデンウィーク、原一男監督来県初日見にいってきた。





まず、原一男監督、撮影、完成お疲れ様でした。

間違いなく原一男監督の代表作となりうる新たな視点を獲得したドキュメンタリーだと思いました。2022年見た劇場映画でこんなスゲエ映画ベストワンにしかならないほど凄かった。 

休憩時間シネウインド、上映途中に休憩が2回あった。

水俣病の何を描くんだろうと。6時間を3つに分け魅せていく原監督。詳しくは本当にみて!とお願いするしかない重厚かつ、探究型ドキュメンタリーになっている。

みながら何度も涙が流れた。また、苦しむ人々や後半の「政治」に翻弄され怒号を発する被害者の方を見てなんとも言えない怒りやら無情たる気持ちやら絶望的絶望やら、イライラやらいろんな喜怒哀楽が去来する。

今までの「過激」な方や人間的にトンガった人に密着する原一男ではない。

本作のうつしだす人々は、病にくるしむ、障がいを持つ人々なのだという事実だ。 

それと苦しむ人々とともに戦う人々を写したドキュメンタリーだ。学者やら、被害者の方々や弁護士や、障がい者の家族の方々、福祉の方々だ。

はじめ、水俣病とはなんぞや?という学術的アプローチとともに水俣病を見極める学者達の証言、水俣病の患者の方々をうつす。

詳細な解説やら、学術的、評論家的抽象論やら知らないので、あくまで感想文なんでご了承願いたい。また見て貰いたい一心だ。

私が 落涙、思ったのは、沢山あるのだが、まず水俣病の調べ方だった。

学者たちが水俣病患者に調べる時、全身に針のような先がとがったものを患者達にあてる(刺すのかな?。)物凄い光景だった。またその姿をさらすのでそれもびっくりした水俣病により感覚が鈍るもしくわ麻痺している。そこに痛覚を感じさせ測定していく。

これが医学的にどうのとか、正式じゃないとかは医師じゃないのでわからないが、少なくとも患者の麻痺を詳細に探るために、にじり寄ってる、検査し、病理を明らかにしようとする執念みたいなものを感じた。ていうか、医者がこんなことする暇はなさそうとも思った。そこには、水俣病をなんとか解決したい、なんとか知りたいというものが、第一部から見えてくるのだ。

ていうか、肌にあんな針さすの?拷問?てみながら思った。単なる針じゃなくて、手のひらサイズの小さなキューブ上のものに針というか、細い先がとがったものがいくつもついていて、それを患者のあらゆる所に突き刺し、反応やら何かをはかっていた。

おさらくそこには、水俣病になった方々の痛感、感覚障がいを解き明かすものなんだと思った。この検査様子をカメラにおさめるのを拒否る方もいた。自分だったら嫌だなあとも思った。いや実際はわからない、、、。その痛みや苦しみは、。だけど映画を見て少し近づけたのかもしれない。いやわからないが、。

私が感動したのは、とある病を持つ方だった。水俣病の患者さんだ。言語障がいがあり、お話しがゆっくりとしている。しかし、原一男監督の前で自分が水俣病になった時やその場所に行く。

かわで魚をとり
魚を食べ
それでミナマタになったと。

自然と密接に関わりながら生きてきた方のリアルな証言に涙した。食べた魚に水銀がまじり、それを食べて、障がいが残る、生活がしづらくなる、社会にいじめられるような目にあう、弱き立場なのに、、。 言葉をききながら、怒りながらも涙が出たのは、はじめてだった。

原監督がこのご夫婦と宿泊インタビューする場面は、必見だ。

原一男監督は、女性障がい者のインタビューをとるのに3年ほどかかったとおっしゃっていた。
水俣病の障がい者の恋する証言ドキュメント、こちらも必見!!

原一男監督が汚染具合をみるためにダイバーとなって海に潜るシーンもあった。ちょっと若い気がした。

ラスト付近
終盤は、原一男監督政治的ドキュメンタリー3部作の集大成の凄みすら感じる修羅場。

はやいはなしが、何もしない「政」の人達、するけど、通り一変な感じを感じるやりとりが、リアルな怒りの怒号となりきこえ迫ってくる。

どんなニュース番組もSNSソースにも負けない「闘争」「論争」から無力、無為、絶望まで感じるラスト3部め、必見の裁判闘争、証言を見逃さないでほしい。

素晴らしいを飛び越え
ニュースの軽い言葉をねじ伏せ
これが我々の「政」ですというあの姿をきりとった原一男監督は、未来永劫日本ドキュメンタリー界に名を刻む名誉監督だと思う。凄いからこの第三部。

とある出演者の女性の方の気持ちがビンビン心に響いた。本当ビンタでもしそうな勢いだった。状況が状況なのだ。修羅場なのだ、いや無為なのか?言ってもしょうがないのか?いや言うんだよこの!という怒りに満ち満ちた瞬間だった。

この感じは、「ニッポン国~」「れいわ一揆」にもあった起臥した。

6時間強鑑賞し、トークショーへ。時刻は夜。
以下トークショーのメモより。

水俣曼荼羅メモ(ききながら携帯にメモる)解説付き。

「ゆきゆきて神軍」より撮りたい人いない、さがす、10年無かった、いなかった探した。

「水俣病やりませんか!」とびつく。

エンターテイメントドキュメントを目指す。

水俣病12、3年ドキュメント。

出資してドキュメントを撮る。
約7500万で「全身小説家」をとる。
6時間12ふん。ゆずれない上映時間。
800時間編集3年。編集者の方が素晴らしかったとのこと。これは見てわかる。
2004年から普通の人にカメラ 不満不安がつのる。山形ドキュメントで自信がついた。
告白衝動を、みつける、居駒さんのくだり。
恋の話しを引き出すに3年まつ。
障がい者一年にひとりのインタビュー。この粘りがハンパなく凄い。
3本新作控えてるそうです!楽しみ!!




さて
原一男監督の最高傑作、水俣病について!

ドキュメンタリーファンは
間違いなく面白いと思いますし、
日本ドキュメンタリー映画のなかでも屈指の映画だと思います。
ぜひご覧ください!

追伸
多分2022年劇場鑑賞ベストワンになる予定。だってこんな凄いの無いから。気合はいりまくりの作品。

本日
ドトール2件梯子して、脱稿感想文でした。2022年1番がんばりレビューだあ!
お読み頂き感謝です。

追記
Amebaブログにて「どーもキューブのブログ」で映像、予告等々ついたレビューもやってます!ひとつよろしくお願い致します!
どーもキューブ

どーもキューブ